在籍確認とは、申告された勤務先に実際に在籍しているかを確認する手続きです。日本の貸金業法では返済能力の調査が義務づけられており、その一環として勤務状況の確認が行われます。ただし「必ず電話でなければならない」とは定められていないため、書類の提出で代替できる場合があります。確認そのものは省略できませんが、電話を避けられる可能性はあります。
| 在籍確認とは | 申告した勤務先に在籍しているかの確認 |
|---|---|
| 省略できるか | 確認自体は省略不可。電話は書類で代替できる場合あり |
| 根拠 | 貸金業法にもとづく返済能力の調査義務 |
| 電話のかけ方 | 会社名を名乗らず、担当者の個人名でかけるのが通例 |
| 代替書類の例 | 健康保険証、給与明細、社員証など |
| 相談のタイミング | 申込時(事前に伝えると対応しやすくなります) |
| 対応エリア | 日本全国(オンライン完結の会社が中心) |
在籍確認とは何ですか?
在籍確認とは、申込時に申告した勤務先に、実際に在籍しているかを確かめる手続きです。収入の裏づけを確認することが目的で、審査の一部として行われます。
収入があるかどうかは、返済できるかを判断するうえでもっとも基本的な情報です。申告された勤務先が実在し、そこで働いているという事実が確認できてはじめて、申告された年収に根拠が生まれます。
確認の方法として一般的なのが勤務先への電話ですが、これは手段のひとつにすぎません。近年は書類の提出で代替する運用も広がっており、「原則として電話連絡なし」を掲げる会社も増えています。
在籍確認なしで借りられますか?
確認そのものをなくすことはできませんが、電話を避けられる場合はあります。この2つは混同されやすいので、区別して理解しておいてください。
「在籍確認なし」=勤務状況を一切確認しない、という意味ではありません。日本の貸金業法では返済能力の調査が義務づけられており、勤務状況の確認を省略することはできません。世の中で「在籍確認なし」と表現されているものの多くは、正確には「勤務先への電話連絡なし」を指しています。書類の提出などで確認方法が変わるだけで、確認自体は行われています。
したがって、電話を避けたい場合の正しい進め方は、「在籍確認のない会社を探す」ことではなく、「電話以外の方法で対応できるか相談する」ことです。申込時に事情を伝えれば、書類での代替を検討してもらえる場合があります。
なぜ日本では確認が必要なのですか?
貸金業者には、返済能力を調査する義務が法律で課されているためです。これは利用者を過剰な借入から守るための仕組みでもあります。
返済できる見込みがないまま貸付が行われれば、困るのは借りた側です。日本では過去に、収入に見合わない貸付が社会問題となった経緯があり、その反省から調査義務や総量規制といった仕組みが整備されました。
在籍確認は、その調査の入口にあたる手続きです。手間に感じられるかもしれませんが、これがあることで、返済能力を超えた貸付が抑えられています。
電話はどのようにかかってきますか?
会社名を名乗らず、担当者の個人名でかけるのが通例です。用件も伝えられません。借入の申込をしていることが周囲に伝わりにくいよう配慮されています。
実際のやり取りは、「〇〇と申しますが、△△様はいらっしゃいますか」といった短いものです。本人が電話に出れば、その場で在籍が確認できて終了します。本人が不在でも、「席を外しております」といった応答があれば在籍の確認としては足りるのが一般的です。
会話の内容が借入に関するものになることはありません。金額や契約内容が話されることもないため、電話を受けた同僚が用件を知ることは通常ありません。
書類で代替できますか?
対応している会社であれば、勤務先が確認できる書類の提出で代えられる場合があります。使える書類は会社によって異なります。
日本で代替書類として使われるもの
| 書類 | 確認できる内容 |
|---|---|
| 健康保険証(社会保険) | 勤務先名と加入状況 |
| 給与明細 | 勤務先名と直近の収入 |
| 社員証・在籍証明書 | 勤務先名と在籍の事実 |
| 源泉徴収票 | 勤務先名と年収 |
※ 有効とされる書類および組み合わせは会社によって異なります。申込時にご確認ください。
とくに社会保険の健康保険証は、勤務先名が記載されているうえに加入手続きを経て発行されるものであるため、在籍の裏づけとして扱われやすい書類です。国民健康保険証には勤務先名が記載されないため、代替として使えないことがあります。
ここで注意したいのが、保険証そのものの形が変わったことです。従来の健康保険証は2024年12月に新規発行が終了し、その後はマイナンバーカードの保険証利用へ移行しました。手元にある紙やカードの保険証も、経過措置の期間を過ぎたものは使えません。
影響が出るのは、券面に何が書かれているかという一点です。マイナンバーカードの券面には勤務先も保険者名も記載がありません。そのため、カードを見せるだけでは在籍の裏づけになりにくく、保険証での在籍確認を想定していた場合は代わりの書類が要ります。
| 手元にあるもの | 勤務先の確認 |
|---|---|
| マイナンバーカード(保険証利用) | 券面に記載がありません |
| 資格情報のお知らせ | 保険者名が記載されます |
| 資格確認書 | 保険者名が記載されます |
| 直近の給与明細 | 勤務先名が記載されます |
※ 記載内容は保険者や交付時期によって異なる場合があります。有効な書類の範囲は各社の判断によります。
組合健保に加入していれば、保険者名から勤務先が特定できる場合もあります。ただし確実なのは給与明細のほうです。申込の前に直近の1か月分を手元に置いておけば、この部分でつまずくことはなくなります。
職場の人に知られませんか?
会社名を名乗らない運用のため、電話の内容から借入とわかることは通常ありません。ただし、絶対に知られないと保証されるものではありません。
個人名でかかってくる電話が不自然に感じられる職場もあります。ふだん外部からの電話が少ない環境や、電話の取り次ぎが厳格な職場では、「誰からの電話か」と話題になる可能性はゼロではありません。
気になる場合は、あらかじめ「クレジットカードの手続きで連絡が入るかもしれない」と伝えておく方もいます。あるいは、最初から書類での代替が可能かを相談するほうが確実です。心配な点は、申込の段階で率直に伝えてください。
電話に出られなかった場合は?
本人が不在でも、在籍していることが確認できれば手続きは進みます。本人が直接出なければならないわけではありません。
同僚が「本日は外出しております」「席を外しています」と応じれば、その方が在籍している事実は確認できます。この時点で在籍確認としては完了するのが一般的です。
一方、「そのような者はおりません」と返答された場合は確認が取れず、手続きが止まります。旧姓で勤務している場合や、通称名を使っている場合は、申込時にその旨を伝えておいてください。また、勤務先の正式名称・部署・電話番号が正確でないと、そもそも確認に至りません。
派遣社員・自営業の場合は?
派遣社員は派遣元、自営業は事業の実態がわかる書類で確認されるのが一般的です。働き方によって確認先や方法が変わります。
- 派遣社員就業先ではなく、雇用契約を結んでいる派遣元(派遣会社)に確認が行われます。申込時は派遣元の名称を申告してください。
- 自営業・フリーランス電話をかける先が実質的にご自身になるため、確定申告書や営業許可証など、事業の実態がわかる書類で代替されることが多くなります。
- アルバイト・パート勤務先へ確認が行われます。シフト制で不在が多い場合は、その旨を伝えておくと進めやすくなります。
- 収入がない場合そもそも在籍確認の対象になりません。配偶者貸付など別の仕組みの検討になります。
「在籍確認なし」をうたう業者は?
確認を一切行わないと明言する相手は、登録を受けていない違法業者の可能性が高いといえます。正規の事業者は、法律上この手続きを省略できません。
正規の会社が案内しているのは、あくまで「原則として電話連絡なし」「書類で対応可能」といった表現です。確認方法を柔軟にしているだけであって、確認そのものを放棄しているわけではありません。
- 「在籍確認なし」「審査なし」を同時にうたっている。どちらも法律上ありえない条件です。
- 勤務先も収入も一切聞かれない。返済能力の調査を行っていない証拠です。
- 契約前に保証料や手数料の前払いを求めてくる。
- 会社名や登録番号が確認できない。
業者が正規かどうかの確かめ方は正規の消費者金融の見分け方で詳しく解説しています。
スムーズに進めるには?
勤務先情報を正確に入力し、電話を避けたい場合は申込時に伝えること。この2点です。後から相談するより、最初に伝えるほうが対応の幅が広がります。
- 勤務先は正式名称で略称や通称ではなく、登記上の正式名称を入力します。部署名や直通番号がわかれば、あわせて記入してください。
- 電話番号を確認する代表番号か直通か。つながりにくい時間帯がある場合は、その情報も伝えます。
- 代替を希望する旨を先に伝える申込フォームの備考欄、または公式LINEでご相談ください。
- 代替書類を用意しておく健康保険証や直近の給与明細を手元に準備しておくと、そのまま進められます。
審査全体で見られる点については審査基準のページもあわせてご覧ください。
在籍確認はいつ行われますか?
申込内容の確認が済んだあと、契約成立の前に行われるのが一般的です。審査の最終段階に位置づけられる手続きです。
日本の一般的な手続きの順序
まず申込内容と本人確認書類が確認され、信用情報機関への照会が行われます。ここまでで大きな問題がなければ、在籍確認へ進みます。つまり、在籍確認の連絡が来た時点で、他の項目については一定の判断がついているということです。
実施される時間帯は、勤務先の営業時間内が基本です。多くは平日の日中に行われるため、土日祝日に申し込んだ場合は、確認が翌営業日に持ち越されることがあります。即日融資を希望する場合、この点が当日中に完了するかどうかの分かれ目になります。
シフト制などで不在の時間帯が決まっている場合は、申込時に「何時ごろなら在席している」と伝えておいてください。つながらずに再架電となると、その分だけ手続きが遅れます。