障害年金は、貸金業法の「年収」に含まれる収入です。給与だけが年収ではありません。障害基礎年金と作業所の工賃を合わせて年収100万円なら、貸金業者から借りられる上限は約33万円になります。一方で、障害年金を受け取る権利そのものは、譲り渡すことも担保に入れることも差し押さえることもできません。年金証書を預かると言う相手は、その一点で正規の業者ではありません。借りる前に当たるべき制度も、この世帯には別に用意されています。
障害年金は年収に数えられます
貸金業法でいう年収には、給与のほかに年金も含まれます。障害年金しか収入がなくても、枠が立たないわけではありません。
| 年収に含まれるもの | 給与、年金、恩給、事業の所得など、定期的に受け取る収入です。 |
|---|---|
| 上限 | 貸金業者からの借入は、その年収の3分の1までです。 |
| 示す書類 | 年金の額を証明する書類が使えます。年金振込通知書や年金証書などです。 |
障害基礎年金の2級はおおむね老齢基礎年金の満額に相当し、1級はその1.25倍です。工賃や給与があれば、それも足して数えます。
年収100万円なら上限は約33万円です。実際にいくらまで借りられるかは、各社の審査で決まります。
年金を担保に取ることはできません
年金を受け取る権利には、法律で守りがかけられています。
| 譲渡 | 他人に譲り渡すことはできません。 |
|---|---|
| 担保 | 借金の担保に入れることはできません。 |
| 差押え | 原則として差し押さえられません。 |
年金証書や通帳、キャッシュカードを預かると持ちかける相手がいれば、そこで話を打ち切ってください。実質的に年金を押さえる行為で、正規の業者は行いません。
相手が登録を受けているかを照合する手順は正規の貸金業者に並べました。
工賃だけでは返済の原資になりません
働き方によって、手元に入る額は大きく違います。
| 就労継続支援B型 | 雇用契約を結ばず、作業の対価として工賃を受け取ります。月1万円台にとどまることが多くあります。 |
|---|---|
| 就労継続支援A型 | 雇用契約を結ぶため、最低賃金が適用されます。 |
| 一般就労 | 給与として受け取ります。 |
B型の工賃は、生活を支える収入としては小さい額です。月々の返済をここから出す計画は、最初から無理があります。
返済の原資になるのは年金と給与です。工賃は、そこに少し足せる分だと考えてください。
先に当たる制度
借りる前に、この世帯が対象になる制度があります。
| 生活福祉資金 | 障害者手帳の交付を受けた人がいる世帯は対象です。保証人を立てれば無利子、立てられなくても年1.5%です。 |
|---|---|
| 特別障害者手当 | 在宅で常時介護を要する重度の障害がある人に支給されます。 |
| 自立支援医療 | 通院や手術の医療費の自己負担が軽くなります。 |
| 障害者控除 | 所得税で27万円、特別障害者なら40万円、同居していれば75万円が控除されます。 |
どれも申請が要ります。窓口は市の障害福祉の担当課と社会福祉協議会です。
制度の一覧は生活福祉資金の解説にもまとめました。
お金の管理を支える仕組み
借りることより先に、管理を支える仕組みが要る場合があります。
| 日常生活自立支援事業 | 社会福祉協議会が、福祉サービスの利用や日常の金銭管理を手伝います。 |
|---|---|
| 成年後見制度 | 判断する力が十分でない場合に、家庭裁判所が後見人を選びます。 |
| 申立費用の助成 | 市が申立ての費用や後見人の報酬を助成する制度を設けていることがあります。 |
本人が契約の内容を理解しないまま借入をさせられている場合、その契約自体が問題になります。まず相談してください。
借りる額の決め方
借りるなら、額は手元で埋まらない差額だけにしてください。
書類の提出を求められる線は、1社で50万円を超えるか、他社と合わせて100万円を超えるかです。年金が収入の柱である世帯では、枠そのものがこの線まで届かないのが普通です。
年金は2か月に一度、偶数月に2か月分がまとめて振り込まれます。返済日を振込の直後に置けば、残高を切らしにくくなります。
期日が迫っているときに何から手を付けるかは今すぐお金が必要なときで扱っています。手段ごとの向き不向きは借入先の違いを比較に並べました。
この世帯を狙う相手
定期的に入る年金は、狙う側から見れば読みやすい収入です。
| 年金を担保にする話 | 証書や通帳を預かる形です。法律上できません。 |
|---|---|
| 訪問での勧誘 | 不要な商品や工事を売りつけます。契約後に撤回できる制度があります。 |
| 手続きの代行を名乗る | 年金や手当の申請に、手数料を取る代行は要りません。 |
家族や支援者が、通帳の動きを定期的に見ておくと早く気づけます。
契約でもつれたときは消費生活センターです。全国共通の番号「188」で近くの窓口につながります。
鹿児島で相談できる先
鹿児島市には区がありません。障害福祉の手続きは市役所の担当課と各支所が窓口です。
生活福祉資金は市の社会福祉協議会、日常生活自立支援事業も同じ社会福祉協議会が扱います。
働き方や工賃のことは、相談支援事業所とハローワークの専門の窓口で相談できます。
審査は要らないと言い切る相手は、法律が課した調査そのものを行っていません。何を見て判断されるのかは審査基準で扱いました。
よくある質問
障害年金だけでも借りられますか?
年金を担保にできますか?
作業所の工賃で返せますか?
借りる前に使える制度はありますか?
お金の管理が難しい場合は?
返済日はいつにすればよいですか?
鹿児島市の地図
鹿児島市には区がなく、窓口は市役所の本庁と各支所です。担当になるのは住民登録のある地区で、障害者手帳の有無は関係ありません。