医療と介護の負担が同じ世帯に重なると、それぞれの上限を超えていなくても合計は重くなります。ここで効くのが、1年間の医療費と介護の自己負担を合算して上限を設ける仕組みです。片方ずつ眺めているかぎり、この上限は視界に入りません。しかも窓口へ出す手続きを経なければ、1円も返ってきません。世帯で年40万円を負担していて上限が年31万円なら、差の9万円が戻ります。それを年18.0%で90日借りていれば、利息は3,995円かかっていた計算です。
医療と介護は合算できます
同じ世帯で医療保険と介護保険の両方に自己負担がある場合、1年分を合算して上限を超えた分が払い戻されます。制度として別々に見る必要はありません。
| 対象 | 同一の医療保険に加入する世帯で、医療と介護の両方に自己負担がある場合です。 |
|---|---|
| 期間 | 年単位で計算されます。 |
| 上限 | 所得の区分と年齢によって定められています。 |
| 手続き | 申請が要ります。自動では戻りません。 |
親と同じ世帯で同じ医療保険に入っているかどうかが前提になります。別世帯なら合算できません。
自分の世帯が対象になるかは、市の窓口で確かめてください。
どちらか片方では届かないことがあります
この制度が効くのは、片方ずつでは上限に届かない場合です。
| 項目 | 年間の自己負担 |
|---|---|
| 医療 | 200,000円 |
| 介護 | 200,000円 |
| 合計 | 400,000円 |
| 上限が31万円の場合 | 差の90,000円が戻ります |
上限額は所得の区分と年齢によって定められています。ここでは説明のために31万円と置いた例です。
医療だけで見れば20万円、介護だけで見ても20万円です。それぞれの制度の上限には届いていないかもしれません。
合わせて初めて超えるという形があります。だから別々に眺めていると、戻るはずのものに気づきません。
申請しなければ戻りません
この制度は、放っておいて振り込まれるものではありません。
年間の期間が終わったあとに、市の窓口へ申請します。医療と介護の両方の記録が要るので、領収書や明細は保管しておいてください。
| 保管するもの | 医療機関の領収書、介護サービスの利用明細。 |
|---|---|
| 申請の時期 | 計算の対象期間が終わったあとです。 |
| 戻る時期 | 審査を挟むため、振り込まれるのは先になります。 |
戻る額と時期が分かっていれば、それまでを埋めるだけで済みます。9万円を年18.0%で90日なら3,995円です。
制度を知らずに借り続けている場合、戻るはずの額まで利息を払っていることになります。
支払いは三つに分かれます
介護が始まると請求書の数が一気に増えます。並べてみると、扱い方は三通りしかありません。
| 相談の窓口があるもの | 医療費の分割、介護サービスの利用料、公共料金。 |
|---|---|
| 動かない | 施設の入居に関わる期限。過ぎれば順番が後ろになります。 |
| 動かすと高くつく | 貸金業者やカードへの返済。遅れれば費用と記録が残ります。 |
一段目なら、黙って抱えこむ前に相手へ事情を伝えてください。大きな病院には、支払い方について相談を受ける係が置かれていることがあります。
三段目に手をつけるのは最後です。期日を過ぎてしまったあとの選択肢は返済が遅れた場合で扱いました。
施設の費用にも軽減があります
施設に入ると、介護サービスの自己負担とは別に、食費と居住費がかかります。
所得と資産が一定の基準に当てはまる場合、この食費と居住費の負担を軽減する仕組みがあります。申請して認定を受ける形です。
| 対象 | 所得と預貯金などの資産について基準が定められています。 |
|---|---|
| 手続き | 市へ申請し、認定証の交付を受けます。 |
| 効果 | 食費と居住費の負担が段階的に軽くなります。 |
該当するかどうかは、親本人の所得と資産で判断されます。子の収入は関係しません。
入所を検討する段階で、施設か市の窓口に確かめてください。
借りる額は戻る分を引いてから
立て替えた総額をそのまま借りると、返ってくるはずの分にまで利息を払うことになります。
収入証明が求められるのは、1社から50万円を超えたときと、他社を含めて100万円を超えたときです。そこに届かなければ、書類を集める工程は発生しません。
戻る見込みのある額を差し引けば、借りる額はその分だけ減ります。合算の払い戻しも、高額介護サービス費も、戻る側に数えられます。
額の出し方は岡山の少額融資に、枠の上限は総量規制の解説にまとめました。
高齢の親を狙う相手
介護が始まると、親のもとに勧誘が届くことがあります。
不要な工事や高額な商品を売る話、あるいは資産の運用を持ちかける話です。判断する力が落ちていれば、断る側の防御も弱くなります。
| 訪問での勧誘 | 一定の取引には、契約後に申込みを撤回できる制度があります。 |
|---|---|
| 成年後見を名乗る | 後見人は家庭裁判所が選びます。名乗るだけの相手を信用しないでください。 |
| 先に金銭を求める | 正規の貸金業者は、貸付の前に金銭を求めません。 |
親あての郵便物や通帳に見覚えのない動きが出ていたら、その時点で消費生活センターへ持ち込んでください。
相手が登録を受けているかどうかを自分で照合する手順は正規の貸金業者に置いてあります。
岡山で相談できる先
介護と医療の負担に関することは、地域包括支援センターと市の担当課が窓口です。
合算の払い戻しは、加入している医療保険の窓口へ申請します。国民健康保険なら市、後期高齢者医療なら広域連合の担当です。
介護のために働き方を変えて家計そのものが回らなくなったなら、社会福祉協議会が扱う貸付の対象になることがあります。窓口は市内4区に置かれています。
売りつけられた契約でもめたなら消費生活センター、相続や後見が絡むなら法テラスです。手段そのものの並べ方は岡山でお金を借りるにまとめました。
よくある質問
医療費と介護費は合算できますか?
それぞれの上限に届いていなくても戻りますか?
放っておいても振り込まれますか?
施設の食費や居住費にも軽減はありますか?
親のところに勧誘が来ています。
どこに相談すればよいですか?
岡山市の地図
社会福祉協議会は市内4区のすべてに置かれています。担当になるのは住民登録のある区で、介護保険の窓口は介護を受ける本人の住所地です。