年金には前借りにあたる仕組みがありません。支給日を早める制度は法律に置かれておらず、唯一の例外だった年金担保貸付も2022年3月末で終わりました。前借りができるのは給与のほうです。働きながら年金を受け取っているなら、その勤務先の制度は使えます。ただしここにも別の仕組みが絡みます。在職老齢年金といい、給与と年金の合計が基準を超えると年金の一部が止まります。給与を4万円増やしても年金が2万円減れば、手元に残るのは2万円です。
年金には前借りがありません
支給日より前に年金を受け取る制度は、法律に置かれていません。次の偶数月15日を早めることはできません。
かつては、年金を担保にして資金を貸し付ける公的な制度がありました。福祉医療機構が扱っていたもので、これが唯一の例外でした。
その制度も2022年3月末で新規の申込受付を終えています。いまは、公的にも民間にも、年金を前倒しで受け取る手段はありません。名前を変えて残っているということもありません。
年金を担保にすると持ちかける相手がいれば、その時点で違法です。証書や通帳を預けないでください。根拠と対処は北九州でお金を借りるに書きました。
給与の分には請求できる場合があります
働いて得ている給与については、話が別です。
労働基準法は、限られた事由に当たる場合に、既に働いた分の賃金を支払期日の前に支払うよう使用者に求めています。出産、疾病、負傷、災害、結婚、死亡などが対象です。
| 対象になる範囲 | 請求した時点までに働いた分の賃金です。先の分は含まれません。 |
|---|---|
| 費用 | かかりません。使用者の側に支払う義務が生じます。 |
| 事由に当たらない場合 | 生活費の不足はこの事由に入っていません。 |
短時間の勤務でも、賃金を受け取っているなら対象になります。雇用の形は問わないので、パートや嘱託でも同じ扱いです。
ただし受け取れるのは働いた分までです。週に数日の勤務なら、その分の額に限られるので、まとまった額には届きません。
民間の前払いは勤務先しだいです
事由を問わずに給与を前倒しで受け取るサービスもあります。
ただし、勤務先が導入していなければ使えません。自分で申し込むものではなく、会社の制度として入っているかどうかで決まります。
導入されていれば、勤怠の記録に応じた範囲で引き出せます。手数料は引き出すたびにかかり、短い期間で使うほど負担の比率が上がります。給料日の直前に使うのが最も割高になる形です。
導入の有無は人事か総務で分かります。制度があるかどうかを聞くだけなら、使う意思を示す必要もありません。福利厚生の案内に載っていることもあります。
在職老齢年金で支給が止まります
働きながら年金を受け取る場合、知っておく必要のある仕組みです。
給与の額と年金の額を合わせた金額が一定の基準を超えると、年金の一部が支給されなくなります。これを在職老齢年金といいます。
| 見るもの | 年金の基本月額と、給与にもとづく総報酬月額相当額の合計です。 |
|---|---|
| 基準額 | 毎年見直されます。近年は月額50万円台で推移しています。 |
| 止まる額 | 基準を超えた分の半分が支給されなくなります。 |
基準を超えなければ、何も起きません。年金は満額のまま受け取れますし、手続きも要りません。
超えた場合も、止まるのは超過分の半分です。年金がまるごとなくなるわけではないので、働くこと自体が損になる仕組みではありません。
4万円増やして2万円減る帯
実際の数字で見ます。
| 項目 | 月額 |
|---|---|
| 年金の基本月額 | 150,000円 |
| 総報酬月額相当額 | 400,000円 |
| 合計 | 550,000円 |
| 基準額を51万円とした場合の超過 | 40,000円 |
| 支給が止まる額 | 20,000円 |
基準額は毎年見直されるため、実際の計算は該当年度の数値によります。総報酬月額相当額の算定方法にも定めがあります。
給与を4万円増やしても、年金が2万円減れば手元に残るのは2万円です。増やした分の半分が消える帯があるということになります。
この帯に入っているかどうかは、年金額と給与の額を足せば分かります。基準に届いていなければ関係のない話なので、まず自分の合計額を出してみてください。
枠の計算では、支給が止まった後の額ではなく、実際に受け取っている年金額を書きます。数え方は総量規制の解説にまとめました。
止まるのは厚生年金の部分です
もう一点、範囲についての決まりがあります。
この仕組みで支給が調整されるのは厚生年金の部分で、国民年金から出る老齢基礎年金は対象になりません。基礎年金は働いていても満額のまま受け取れます。
だから影響の大きさは、年金のうち厚生年金が占める割合で変わります。基礎年金だけを受け取っている人には、この調整そのものが起こりません。
自分の年金がどう組み立てられているかは、年金額改定通知書に内訳が記載されています。一度見ておくと、計算の前提が分かります。基礎年金と厚生年金が別々の行に並んでいます。
それでも足りない場合の順序
前借りが使えない、あるいは足りない場合に見る先を並べます。
| 公的な貸付 | 無利子または低利です。相談から交付まで数週間を見ます。 |
|---|---|
| 民間の借入 | 年齢と収入の条件を満たす範囲で選びます。当日に届くこともあります。 |
| 支払いを待ってもらう | 費用がかかりません。相手に聞くだけで済みます。 |
いちばん下から当たるのが順序としては先です。公共料金や税には、期日の相談に応じる仕組みが用意されており、応じてもらえれば利息も手数料もかかりません。
医療や介護が理由なら、負担そのものを抑える制度があります。中身は北九州で今すぐお金が必要に、公的な貸付の要件は生活福祉資金に置きました。
北九州で働きながら受け取る場合
年金の仕組みも労働基準法の定めも全国共通で、市内7区による違いはありません。
県内で確かめられるのは、年金事務所での相談です。在職老齢年金の計算は、自分の年金額と給与の額が分かれば試算してもらえます。勤務時間を増やすかどうかを決める前に聞いておけば、増えた分がいくら残るかも先に分かります。
市の窓口では、保険料の減免や生活の相談を受けています。年金の制度そのものは年金事務所、生活に関することは区役所や地域包括支援センターという分かれ方です。
申込書の職業欄をどう書くか、年金と給与をどう合算するかは北九州での借入手続きにまとめました。
よくある質問
年金を前借りできますか?
働いている分の給与は前倒しできますか?
前払いサービスは自分で申し込めますか?
働くと年金が減りますか?
どれくらい減りますか?
基礎年金も減りますか?
北九州市の地図
社会福祉協議会は市内7区のすべてに置かれています。担当になるのは住民登録のある区で、年金を受け取っている世帯の相談も同じ窓口です。