給料の前借りには、法律にもとづいて請求できる部分と、貸付になる部分があります。分かれ目はすでに働いた分かどうかです。月給25万円で月末締めなら、5日の時点で請求できるのは41,667円、25日なら208,333円。同じ月の中で、上限が5倍動きます。ここを超えた額は借入の扱いになり、利息と審査が付いてきます。
前借りには2種類あります
すでに働いた分の賃金を先に受け取るのが非常時払い、まだ働いていない分を受け取るのが貸付です。呼び方は同じでも、性質がまったく違います。
非常時払いは労働基準法第25条にもとづく権利です。一定の事由があれば、支払日を待たずに、すでに働いた分の賃金を請求できます。すでに発生している賃金を早く受け取るだけなので、利息はかかりません。
これに対して、まだ働いていない分を先に受け取るのは、勤務先からの借入です。返済の義務が生じ、条件によっては利息も付きます。就業規則で扱いが定められている場合と、そもそも制度がない場合があります。
請求できる額は日数で5倍動きます
月給25万円、月末締めの場合で、月の経過日数ごとに並べます。
| 経過日数 | すでに働いた分 | 非常時払いで請求できる上限 |
|---|---|---|
| 5日 | 41,667円 | 41,667円 |
| 10日 | 83,333円 | 83,333円 |
| 15日 | 125,000円 | 125,000円 |
| 20日 | 166,667円 | 166,667円 |
| 25日 | 208,333円 | 208,333円 |
月給を日数で按分した概算です。実際の計算方法は就業規則と賃金規程によります。
5日の時点と25日の時点で、上限が5倍違います。同じ月給、同じ制度でも、いつ請求するかで受け取れる額がここまで変わるということです。
10万円が必要な場合、月の12日を過ぎていれば非常時払いで足ります。それより前であれば、足りない分を別に用意することになります。
日割りの計算方法そのものも、会社によって違いがあります。暦の日数で割る場合と、所定労働日数で割る場合があるためです。月給25万円を30日で割れば1日8,333円ですが、所定労働日数20日で割れば1日12,500円になります。同じ15日の時点でも、前者なら125,000円、後者なら働いた日数しだいで変わってきます。
時給や日給で働いている場合は、この計算がもっと単純です。実際に働いた時間や日数に単価を掛けた額が、そのまま請求できる上限になります。シフト制であれば、直近の勤務実績を手元で数えておくと話が早く進みます。
残業代や各種の手当が含まれるかどうかも確かめておいてください。すでに働いた分という考え方に立てば、発生済みの残業代も対象に入ります。ただし計算が締め日を待つ運用になっている会社では、実務として基本給の部分だけで処理されることがあります。手取りとの関係は広島の審査基準で扱う年収の考え方とあわせて見てください。
非常時払いが使える事由
どんな理由でも請求できるわけではありません。労働基準法施行規則で事由が定められています。
| 出産、疾病、災害 | 本人だけでなく、生計を同じくする者についても含まれます。 |
|---|---|
| 結婚、死亡 | 本人または生計を同じくする者に関するものです。 |
| やむを得ない帰郷 | 1週間以上にわたって帰郷する場合が想定されています。 |
生計を同じくする者が対象に含まれる点は見落とされがちです。家族の入院や被災であっても、事由にあたります。
ここに当てはまらない出費については、非常時払いの対象になりません。その場合は勤務先の制度か、外部から借りるかという選択になります。
超えた分はどう扱われますか?
すでに働いた分を超える額は、賃金の前払いではなく貸付です。
勤務先が貸す場合、就業規則や個別の合意にもとづくことになります。利息を取らない会社が多い一方、制度そのものがない会社も少なくありません。給与から天引きで返す形が一般的です。
ここで注意したいのが、賃金からの控除には制限があるという点です。労働基準法により、賃金は全額を支払うのが原則で、天引きには労使協定などの根拠が要ります。返済の方法についても、勤務先と確認しておいてください。
勤務先に制度がない場合の選択肢は広島でお金が必要にまとめました。
勤務先への伝え方
非常時払いは権利なので、事由に当てはまれば請求できます。ただし手続きの窓口と様式は会社によります。
伝える相手は、給与を扱う部署が基本です。直属の上司を通す運用になっている場合もあります。事由を示す書類、たとえば入院や被災を示すものを求められることがあります。
使いみちを細かく説明する必要はありません。事由に当たるかどうかが判断の材料であって、その先の使い道は別の話だからです。
言い出しにくいという理由で外部からの借入を選ぶ人もいますが、非常時払いには利息がかからず、記録も残りません。比べる価値のある差です。
給与前払いサービスとの違い
民間の事業者が提供する、働いた分を先に受け取れるサービスがあります。
| 非常時払い | 法律上の権利です。事由が要りますが、費用はかかりません。 |
|---|---|
| 前払いサービス | 事由は問われませんが、利用のたびに手数料がかかります。 |
| 勤務先からの貸付 | 制度がある場合に限られます。天引きで返すのが一般的です。 |
前払いサービスの手数料は、1回あたり定額の場合と、金額に対する割合の場合があります。少額を何度も使うと、固定の費用が積み上がる点は借入と同じです。
金額が小さいほど固定費用の重みが増す関係は広島の少額融資で数字にしました。
給与の買取をうたう相手
給与を買い取る、給与ファクタリングといった呼び方で近づいてくる相手には注意してください。
賃金を受け取る権利を譲り渡す形をとっていても、実質が貸付にあたる場合、貸金業の登録が必要です。登録のない相手が行えば無登録営業となり、10年以下の懲役もしくは3,000万円以下の罰金の対象になります。
手数料という名目でも、実質的な利率が上限を超えていれば違法です。年20.0%を超える金利は出資法違反、年109.5%を超える場合は貸金業法第42条により契約そのものが無効になります。
登録の照合手順は広島の正規貸金業者に置きました。
広島で相談できる先
賃金の支払いに関する相談は、労働基準監督署が窓口になります。広島県内には複数の署が置かれており、勤務先の所在地を管轄する署が担当です。
契約や取り立てに関することは、広島市消費生活センターで相談できます。生活費そのものが不足している場合は、各区の社会福祉協議会に公的な貸付の窓口があります。
公的な貸付の条件と月々の負担は生活福祉資金にまとめてあります。いずれの窓口も相談に費用はかかりません。勤務先との関係で動きにくい場合ほど、外部の窓口を先に使ってください。
よくある質問
給料の前借りはできますか?
いくらまで請求できますか?
どんな理由でも使えますか?
利息はかかりますか?
使いみちを説明する必要がありますか?
給与の買取という話は使えますか?
広島市の地図
社会福祉協議会は市内8区のすべてにあります。中国財務局もこの市内に置かれています。