収入が年に1回か2回まとまって入る働き方では、毎月の返済という形そのものが合いません。米の出荷代金が秋に入る農家も、冬に現場が止まる建設の職人も、手元の金は12か月を通じて同じではありません。年収360万円でも、6月と1月では残高がまるで違います。枠の計算は年収の3分の1なので120万円まで立ちますが、実際に組めるかどうかを決めるのは、いちばん手元が薄い月に毎月の返済額を出せるかどうかです。
枠は年収で立ちます
貸金業者からの借入は年収の3分の1までで、収入がいつ入るかは計算に影響しません。年に1回まとめて入る収入でも、12回に分けて入る給与でも同じです。
| 年収 | 枠の上限 |
|---|---|
| 2,400,000円 | 800,000円 |
| 3,600,000円 | 1,200,000円 |
| 4,800,000円 | 1,600,000円 |
総量規制が定める年収の3分の1から出した目安です。ここから実際にいくらの限度額が決まるかは、各社の判断によります。
この線は貸金業法が定めたもので、他社の残高も合算して数えます。銀行のカードローンは対象外ですが、各行が同じような基準を自主的に置いています。
数え方そのものは総量規制の解説にまとめました。
薄い月を基準に決めます
枠が立つことと、返せることは別です。返済は毎月来ます。
年収360万円の農家で、収入の大半が10月から12月に入るとします。翌年の6月、手元にあるのは残しておいた分だけです。
| 時期 | 手元の状況 |
|---|---|
| 10月から12月 | 出荷代金が入ります。年間の収入の大半です。 |
| 1月から3月 | 資材や燃料の支払いが出ていきます。 |
| 4月から9月 | 入るものが少なく、出ていくものは続きます。 |
経営の形と作目により時期は異なります。説明のための一例です。
返済額を決めるなら、いちばん下の時期に払える額です。収入が入る月を基準にすると、半年後に払えなくなります。
収入が入る月に多く返せますか
返済の方法には、月ごとの額を変えられるものがあります。
| 約定の返済 | 毎月決まった日に決まった額です。ここは動かせません。 |
|---|---|
| 随時の返済 | 約定とは別に、いつでも上乗せして入れられます。 |
| ボーナス併用 | 年2回、増額して返す形です。商品によって用意があります。 |
収入がまとまって入る働き方なら、真ん中が効きます。約定の額は薄い月に合わせて低くしておき、入った月に随時で多めに入れる。この組み方なら、どちらの月にも無理が出ません。
随時の返済に手数料がかかるかどうかは商品によります。かかる場合でも、利息の減り方のほうが大きいことがほとんどです。
いくら減るかは返済シミュレーションで確かめられます。
農業の収入を証明する書類
給与所得者と違い、源泉徴収票はありません。代わりになる書類があります。
| 確定申告書の控え | 税務署の受付印か、電子申告の受信通知が付いたものです。 |
|---|---|
| 青色申告決算書 | 収入と経費の内訳が載ります。所得の中身を示せます。 |
| 納税証明書 | 税務署で交付されます。申告した所得が確認できます。 |
見られるのは売上ではなく所得です。売上1,200万円でも、経費を引いた所得が360万円なら、枠の計算に使われるのは360万円のほうです。
1社から50万円を超えるか、他社を含めて100万円を超える場合に提出が必要になります。それ以下なら求められないのが原則です。
冬に仕事が止まる場合の制度
季節によって雇用が切れる働き方には、専用の仕組みがあります。
1年のうち決まった季節にだけ雇われる人は、雇用保険で短期雇用特例被保険者として扱われます。離職したときに受け取れるのは、通常の基本手当ではなく特例一時金です。
| 対象 | 季節的に雇用される人などで、一定の要件を満たす場合です。 |
|---|---|
| 受け取り方 | 一時金としてまとめて支給されます。 |
| 手続き | 離職票を持ってハローワークで手続きします。 |
借りる前に、これを受け取れる立場かどうかを確かめてください。受け取れるなら、借りる額はその分だけ減ります。
要件と支給額は制度の定めによります。ハローワークの窓口で自分の場合を確かめるのがいちばん確実です。
支出も冬に固まります
収入だけでなく、出ていくほうにも季節があります。
| 項目 | 時期 |
|---|---|
| 冬タイヤの購入や交換 | 11月ごろ |
| 灯油代の増加 | 12月から3月 |
| 除雪や融雪の費用 | 降雪期 |
| 車の修理や買い替え | 積雪と融雪剤で傷みが出た時期 |
住まいの形と地域により金額は異なります。項目の例です。
四つとも時期が分かっています。分かっているなら、前の月までに取り分けておけば借りずに済む種類の支出です。
毎年同じ月に足りなくなっているなら、原因はここにあります。
先に当たる公的な制度
民間で借りる前に、当たる先があります。
| 日本政策金融公庫 | 農業向けの資金があります。金利は民間より低く抑えられています。 |
|---|---|
| 社会福祉協議会 | 生活福祉資金の貸付です。緊急小口資金は無利子です。 |
| 自治体の助成 | 克雪や融雪の設備に助成を設けている場合があります。 |
いずれも申請から交付までに日数がかかります。使うなら、必要になる前に動いてください。
それぞれの資金の種類と条件は生活福祉資金に整理してあります。
新潟で相談できる先
市内には8つの区があり、社会福祉協議会はそのすべてに置かれています。窓口になるのは、住民登録をしている区の協議会です。
農業の経営に関する相談なら、農業協同組合や県の農業普及の窓口も使えます。資金の制度に詳しい担当がいます。
契約や取り立てのもつれは消費生活センター、法律の問題は法テラスです。どちらも費用はかかりません。
急いでいる場合の順序は今すぐお金が必要なときに、正規の登録を確かめる手順は正規の貸金業者に置きました。
よくある質問
収入が年に1回でも借りられますか?
返済額はどう決めますか?
農業の収入はどう証明しますか?
冬に仕事が止まります。何か制度はありますか?
毎年同じ時期に足りなくなります。
公的な制度を先に使えますか?
新潟市の地図
社会福祉協議会は市内8区のすべてに置かれています。担当になるのは住民登録のある区で、農地を持っているかどうかは関係ありません。