30万円を借りるとして、消費者金融の年18.0%、銀行カードローンの年14.0%、フリーローンの年12.0%。毎月の返済額の差は、どの回数で組んでも1,000円に届きません。ところが総額では、6回なら5,358円の差が、60回では56,682円になります。差は月々の欄には現れず、総額にだけ現れる。広告に並ぶ月額を見比べても、選び分けの材料にはならないということです。
同じ条件で総額を並べるといくら違いますか?
比較の土台をそろえます。元本30万円、元利均等、回数だけを動かした場合の利息総額です。
| 回数 | 年18.0% 消費者金融 | 年14.0% 銀行カードローン | 年12.0% フリーローン | 高い案と安い案の差 |
|---|---|---|---|---|
| 6回 | 15,945円 | 12,368円 | 10,587円 | 5,358円 |
| 12回 | 30,048円 | 23,234円 | 19,856円 | 10,192円 |
| 24回 | 59,454円 | 45,693円 | 38,929円 | 20,525円 |
| 36回 | 90,446円 | 69,118円 | 58,715円 | 31,731円 |
| 60回 | 157,082円 | 118,829円 | 100,400円 | 56,682円 |
金利は各商品でよく見られる水準に置いた概算です。実際の適用金利は審査で決まります。
6回なら差は5,358円、60回なら56,682円。10.6倍に開きます。どこを選ぶかより先に、何回で返すかが総額を決めているという読み方ができます。
月々の差はいくらですか?
同じ条件を、今度は毎月の返済額で見ます。
| 回数 | 年18.0% | 年14.0% | 年12.0% | 差 |
|---|---|---|---|---|
| 12回 | 27,504円 | 26,936円 | 26,655円 | 849円 |
| 36回 | 10,846円 | 10,253円 | 9,964円 | 882円 |
| 60回 | 7,618円 | 6,980円 | 6,673円 | 945円 |
どの回数でも、月々の差は849円から945円のあいだに収まります。総額の差が10,192円から56,682円まで動くのに対して、月々の欄はほとんど動きません。
これは比較のしかたに直接効きます。申込画面や広告で大きく出るのは月額です。その数字を3社ぶん並べても、ほぼ同じに見える。金利差が実際に現れているのは総額のほうで、そこは自分で計算するか、契約書の総支払額を見るまで出てきません。
回数を変えたときの総額は返済シミュレーションで条件を入れ替えながら確かめられます。
短く返すなら差は気にしなくてよいですか?
元本に対する割合に直すと、判断しやすくなります。
| 6回で返す | 差は5,358円。元本30万円の1.8%です。 |
|---|---|
| 12回で返す | 差は10,192円。3.4%になります。 |
| 36回で返す | 差は31,731円。10.6%です。 |
| 60回で返す | 差は56,682円。18.9%まで上がります。 |
半年で返しきるなら、どこから借りても総額はほとんど変わりません。この帯では、金利より審査の速さや手数料の有無のほうが実額として大きくなります。
逆に5年で組むなら、選択の差が元本の2割近くに達します。長く付き合う前提の借入ほど、金利を先に見る理由がここにあります。
無利息期間があると順位は変わりますか?
変わります。ただし短い期間に限られます。
消費者金融には初回30日間を無利息とする商品があります。30万円の場合、免除されるのは初月の利息にあたる4,500円ほど。これを差し引くと、年18.0%が年14.0%を下回る場面が出てきます。
| 7回までで返す | 無利息つきの年18.0%のほうが安く済みます。 |
|---|---|
| 8回以上 | 年14.0%の銀行が安くなります。 |
境目は7回、およそ半年です。免除される額が一定なのに対して、金利差のほうは回数に比例して膨らむため、どこかで必ず逆転します。
短期で返しきる前提なら、金利の低い商品を探すより無利息の有無を確かめるほうが早い。無利息をいつから数えるかという起点の違いも含めて、消費者金融の側で確かめてください。
なぜ銀行カードローンは即日融資ができないのですか?
2018年1月以降、銀行はカードローンの審査にあたって警察庁のデータベースへ照会を行っています。反社会的勢力との関係を確認する手続きで、回答が返るまで契約に進めません。銀行の事務の速さや混雑の問題ではなく、工程としてそうなっています。
貸金業者である消費者金融には、この照会の義務がありません。だから即日融資が成り立ちます。今日中に必要だという条件が立った時点で、選択肢はこの一点で絞られます。土日祝日も同じで、銀行側は翌営業日以降になります。
もうひとつ、銀行の審査には保証会社が関わります。返済が滞ったときに残額を立て替えるのは保証会社で、実質的に審査を担っているのもそちらです。務めているのは消費者金融やクレジットカード会社であることが多いため、その会社との過去の取引に問題が残っていれば、銀行の窓口から申し込んでも結果は変わりません。
審査そのものが当日中に終わることはあります。終わるのは審査であって、振込ではありません。
上限金利はどちらが低いですか?
商品としての上限は銀行のほうが低く設定されています。ただし法律上の上限は、借入元本によって段階的に変わります。
| 元本 | 利息制限法の上限 |
|---|---|
| 10万円未満 | 年20.0% |
| 10万円以上100万円未満 | 年18.0% |
| 100万円以上 | 年15.0% |
広告に出る「年3.0%から」のような下限は、限度額が大きい場合の数字です。初回の契約では上限に近い側が適用されやすく、下限どうしを比べても実際の負担の比較になりません。比べるなら上限側でそろえてください。
少額融資では、どこを選んでも上限に近い金利になりやすいため、差はさらに縮まります。
総量規制の対象になるのはどちらですか?
対象は消費者金融です。総量規制は貸金業法上の規制で、貸金業者からの借入総額を年収の3分の1までに制限します。銀行は銀行法にもとづくため、法律上は適用を受けません。
ただし2017年以降、各銀行が自主的な上限を設けています。年収の3分の1、あるいは2分の1を目安とする運用が広く行われており、実務上は無制限ではありません。対象外だから多く借りられる、という理解は現在では成り立ちません。
本人に収入がない場合の扱いは、学生・主婦の借入で説明している配偶者貸付が関係します。なお住宅ローンや自動車ローン、クレジットカードの買い物の分割払いは、この枠に数えません。
カードローンとフリーローンの違いは?
同じローンでも契約の型が違います。カードローンは極度型、フリーローンは証書貸付型です。
| カードローン | フリーローン | |
|---|---|---|
| 契約の型 | 極度型 | 証書貸付型 |
| 追加の借入 | 限度額まで何度でも | できません |
| 完済後 | 契約は続きます | 契約は終了します |
| 総支払額 | 使い方で変わります | 契約時に確定します |
| 金利 | 高めの傾向 | 低めの傾向 |
使い分けの目安ははっきりしています。必要額が確定していて一度で足りるならフリーローン、いくら要るか読めない、あるいは分けて引き出したいならカードローンです。
フリーローンで足りなくなった場合、組み直すか別に借りるかになります。金利の低い組み直しのほうが高くつく場面もあるため、不足が出たときの3案で総額を比べてから決めてください。
銀行はこの2つを両方とも扱っています。同じ銀行の商品一覧に、銀行のフリーローンと銀行カードローンが並んで載っている形です。呼び方が近いので混同されますが、上の表の違いはそのまま当てはまります。
金利の差は小さくありません。同じ銀行で年5.0%のフリーローンと年14.0%のカードローンが並ぶ場面を、50万円を36回で返す条件に置いて比べます。
| フリーローン 年5.0% | カードローン 年14.0% | |
|---|---|---|
| 月々の返済 | 14,985円 | 17,088円 |
| 返済総額 | 539,460円 | 615,168円 |
| 利息の合計 | 39,460円 | 115,168円 |
※ 元利均等返済で計算した試算です。適用される金利と条件は審査によって決まります。
利息の差は75,708円で、3倍近い開きになります。使いみちが決まっていて金額も動かないなら、証書貸付のほうを選ぶ理由がここにあります。
4つ目の選択肢はありますか?
民間の3つの外側に、公的な貸付があります。金利の水準がひと桁違うため、条件に当てはまるなら最初に確かめる価値があります。
| 連帯保証人あり | 無利子です。30万円をどれだけ長く借りても利息は0円になります。 |
|---|---|
| 連帯保証人なし | 年1.5%程度。30万円を36回で返した場合の利息は6,988円です。 |
| 民間との差 | 同じ36回の年18.0%が90,446円なので、13倍の開きになります。 |
弱点は速さです。相談から交付まで数週間から1か月ほどかかり、世帯の所得にも要件があります。今日中に必要な資金には届きません。
逆に、時期が読める支出であれば十分に間に合います。区分と据置期間の効き方は公的融資の負担比較にまとめました。
申込から借入までの流れはどう違いますか?
提出する書類そのものは大きく変わりません。差が出るのは、収入証明が必要になる基準と口座の扱いです。
| 本人確認書類 | いずれも必要です。運転免許証やマイナンバーカードを使います。 |
|---|---|
| 収入証明書 | 消費者金融では1社50万円超、または他社合計100万円超で必要になります。銀行は各行の基準によります。 |
| 口座の開設 | 消費者金融では不要です。銀行では口座開設を求められる商品があります。 |
| 在籍確認 | いずれも行います。電話に限らず、書類での確認に代えられる場合があります。 |
要否の境目は収入証明書不要、勤務先への確認の実際は在籍確認で扱っています。なお「在籍確認なし」「審査なし」をうたう相手には注意が必要です。返済能力の調査は法律上の義務で、省略すると明言する時点で正規の登録を受けていない可能性があります。
目的別、どれを選ぶべきですか?
ここまでの数字を、実際の状況にあてはめます。
| 今日中に必要 | 消費者金融。銀行は工程上、当日の振込ができません。 |
|---|---|
| 半年以内に返しきる | 無利息つきの消費者金融。7回までなら年14.0%より安く済みます。 |
| 3年以上かける | フリーローンか銀行カードローン。差が元本の1割を超えます。 |
| 必要額が確定している | フリーローン。総支払額が契約時に決まります。 |
| いくら要るか読めない | カードローン。限度額の範囲で必要な分だけ引き出せます。 |
| 時期に余裕がある | 公的融資。金利が民間の10分の1以下になる場合があります。 |
| 複数の借入をまとめたい | おまとめローン。ただし回数を延ばすと逆転します。 |
どれを選ぶ場合でも、申込先が正規の登録を受けた貸金業者かどうかは先に確かめてください。金利の高低より前に、そこが分かれ目になります。