給料の前借りで受け取れるのは、その時点ですでに働いた分だけです。日給10,000円で月20日勤務の人が15日に請求する場合、シフトが月内で均等なら10日分の100,000円ですが、後半に寄っていて前半に5日しか出ていなければ50,000円です。同じ月給、同じ日付、同じ制度で、請求できる額が2倍違います。決めているのは日付ではなく、そこまでに何日働いたかです。
日付ではなく勤務日数で決まります
前借りできる額は、月の何日かではなく、その日までに何日働いたかで決まります。固定シフトの人には同じことですが、変動シフトでは別物です。
毎日決まって出勤する働き方なら、月の半ばには半分働いたことになります。日付と勤務日数が連動しているので、15日なら10日分、というように暗算できます。
ところが宿泊や飲食、小売のようにシフトが週ごとに組まれる職場では、月内の出勤が均等に散らばりません。行事や連休に合わせて後半に寄ることもあれば、月初に集中することもあります。
この場合、15日という日付からは何も分かりません。分かるのは、シフト表を見て実際に出た日数を数えたときだけです。
シフトの偏りで2倍変わります
日給10,000円、月20日勤務という条件で、15日時点に請求できる額を比べます。
| 15日までの出勤 | 請求できる額 | 月給に占める割合 |
|---|---|---|
| 10日(月内で均等) | 100,000円 | 50% |
| 5日(後半に偏る) | 50,000円 | 25% |
日給10,000円・月20日勤務を前提とした説明用の例です。実際の計算方法や締めの扱いは勤務先の規定によります。
差は50,000円です。月末に受け取る額は同じなのに、月の半ばに手が届く額が半分になります。
困るのは、必要になる時期と偏りが噛み合わないときです。後半にシフトが寄っている月は、前半の生活費が薄くなりがちで、しかもその前半こそ請求できる額が少ない。必要と可能が逆を向きます。
自分の請求できる額の数え方
数えるのに必要なものは二つだけです。
| シフト表または勤怠の記録 | 締め日から今日までに何日出たかを数えます。 |
|---|---|
| 日給または時給と実働時間 | 日数に掛ければ、すでに働いた分の賃金が出ます。 |
締め日が月末とは限りません。15日締めの職場なら、月の後半に働いた分は翌月の計算に入ります。この場合、月末に請求しても「今の締め期間で働いた分」しか対象になりません。
ここを取り違えると、あるはずの額が出てこないことになります。締め日が15日で、月の後半に集中して働いた月末に請求したとします。感覚では20日近く働いていますが、制度が見ているのは16日以降の分だけです。手元の実感と制度上の数字がずれるのは、この締めの区切りが理由です。
自分の締め日がいつかは給与明細に書かれています。前借りを考える前に、そこだけ先に確かめておいてください。
費用のかからない請求権
労働基準法第25条は、非常の場合の費用に充てるために請求があったとき、支払期日の前でもすでに働いた分の賃金を支払うよう会社に義務づけています。手数料はかかりません。
| 対象になる事由 | 出産、疾病、災害、結婚、死亡、やむを得ない事由による1週間以上の帰郷など |
|---|---|
| 対象になる額 | 請求した時点ですでに働いた日数分の賃金です。 |
| 対象になる人 | 本人だけでなく、その収入で生計を立てている家族に起きたことも含まれます。 |
ここでも上限は「働いた日数分」です。事由に当てはまっても、まだ働いていない分まで前倒しできるわけではありません。シフトが後半に寄っている月は、この制度を使っても取れる額が少なくなります。
該当するかどうかの判断に迷ったら、勤務先の総務か、勤務先の所在地を管轄する労働基準監督署に聞いてください。相談に費用はかかりません。
サービス経由との違い
勤務先が給与前払いサービスを導入している場合、アプリから申請できます。手軽な代わりに手数料がかかります。
| 労働基準法にもとづく請求 | 手数料なし。事由が限定され、勤務先に理由を伝えることになります。 |
|---|---|
| 会社の制度による前借り | 手数料なしのことが多い。就業規則の定めと申請が必要です。 |
| 前払いサービス | 手数料がかかります。理由は問われず、アプリで完結します。 |
三つとも、受け取れる上限は「すでに働いた分」で共通です。違うのは費用と、理由を伝えるかどうかだけです。
どれを使うにしても、前借りは借入ではありません。信用情報に記録は残らず、年収の3分の1という枠にも影響しません。ただし翌月の給与がそのぶん減るので、次の月の家計は先に組み直しておいてください。
足りない場合にどうするか
働いた日数分では届かないことがあります。その時点で、性質の違うものに移ることになります。
前借りは自分の賃金の受け取り時期を早めるだけなので、返す必要がありません。ここを超えて受け取る場合は、勤務先からの貸付か、外部からの借入になります。どちらも返済が発生します。
境目を意識しないまま「前借り」という言葉で処理してしまうと、返済の要る契約を結んだことに気づかないことがあります。書面に利息や返済の条件が書かれていれば、それは貸付です。返済が始まる以上、毎月いくらまでなら無理がないかを先に出しておいてください。回数ごとの負担は返済シミュレーションで確かめられます。
外部から借りる場合の考え方は京都でお金を借りるに、数万円で足りる場合は京都の少額融資にまとめました。
京都で利用する場合
使えるかどうかを決めているのは勤務先です。住んでいる区は関係しません。
市内は宿泊、飲食、小売の事業所が多く、これらはシフト制との相性から前払いサービスを導入している例が比較的見られます。ただし導入されていることと、自分がその月に請求できる額が大きいことは別です。シフトの組み方のほうが効いてきます。
労働基準法にもとづく請求のほうは、勤務先の裁量ではなく法律上の権利です。地域によって扱いが変わることはありません。窓口は住所地ではなく、勤務先の所在地を管轄する労働基準監督署になります。
市内は学生の比率が高く、アルバイトで生活費をまかなっている人も多くいます。学生の場合、前借りできる額はアルバイトで働いた分に限られ、仕送りや奨学金はここに入りません。枠の立ち方そのものが違うため、扱いは学生・主婦の借入に分けてあります。
なお会員制交流サイトなどで個人が立替えを申し出る形は、名目が何であれ返す額が受け取る額を上回れば貸付です。反復して行えば登録が必要で、無登録なら10年以下の懲役もしくは3,000万円以下の罰金にあたります。相手が登録を受けているかを確かめる手順は正規の貸金業者に置きました。
よくある質問
前借りできる額はどう決まりますか?
シフトの組み方で額は変わりますか?
手数料のかからない方法はありますか?
締め日は関係しますか?
前借りは信用情報に残りますか?
働いた分では足りない場合はどうなりますか?
京都市の地図
社会福祉協議会は市内11区のすべてに置かれています。学費に関する相談は、まず在学先の窓口が入口になります。