給与前払いサービスの手数料は「6%」と表示されます。年6%ではありません。1回あたり6%です。給料日まで10日の前借りに5万円で3,000円を払うと、年率に直すと219.0%になります。同じ5万円を貸金業者から年18.0%で10日借りたときの利息は247円です。手数料の表示だけを見ると、この差は見えません。
手数料を年率に直すとどうなるか
比較するには、単位をそろえる必要があります。手数料を借入日数で割り、年に換算します。
| 手数料の型 | 給料日までの日数 | 手数料額 | 年率換算 |
|---|---|---|---|
| 定率6% | 5日 | 3,000円 | 438.0% |
| 定率6% | 10日 | 3,000円 | 219.0% |
| 定率6% | 20日 | 3,000円 | 109.5% |
| 定額500円 | 10日 | 500円 | 36.5% |
| 定額500円 | 20日 | 500円 | 18.2% |
| 定額500円 | 30日 | 500円 | 12.2% |
前借額5万円での試算です。手数料の決め方はサービスごとに違います。
同じ6%でも、給料日が近いほど年率は跳ね上がります。お金を使う期間が短いのに、手数料は同じだけかかるからです。5日前なら438.0%、20日前なら109.5%。前借りするタイミングで、実質的な負担は4倍変わります。
なぜ上限金利が適用されないのか
年219%という数字を見ると、法律違反ではないかと思われるかもしれません。違反ではありません。
利息制限法や出資法が定める上限は、貸付に対するものです。給与前払いサービスは、すでに働いて発生した賃金を前倒しで受け取る仕組みで、法律上は貸付にあたらないと整理されています。したがって上限金利の枠外にあり、手数料の水準に法的な上限はありません。
| 貸金業者からの借入 | 利息制限法により、10万円未満は年20.0%、100万円未満は年18.0%が上限です。 |
|---|---|
| 給与前払いサービス | 貸付ではないため上限金利の適用外です。手数料は各社が設定します。 |
仕組みそのものが違法なのではなく、比べる土俵が別だということです。ただ利用者から見れば、出ていくお金は同じです。年率に直してから比べる意味はここにあります。
正規の貸金業者であれば上限金利は法律で決まっています。登録を確かめる順序は正規の貸金業者に書きました。
定額型と定率型で差が出る
表のとおり、手数料の型で負担がまったく変わります。
定率型は前借額に比例します。5万円で6%なら3,000円、10万円なら6,000円。金額が大きいほど手数料も増えます。
定額型は1回いくらで固定です。500円なら、5万円でも10万円でも500円。金額が大きいほど、率としては軽くなります。
| 少額を借りる | 定率型のほうが手数料額は小さくなります。1万円で6%なら600円です。 |
|---|---|
| まとまった額を借りる | 定額型が有利です。10万円で500円なら、率にして0.5%です。 |
分かれ目は計算で出せます。定額500円と定率6%が並ぶのは、500円が前借額の6%にあたる金額、つまり8,333円のときです。これより少なく受け取るなら定率型、多く受け取るなら定額型が軽くなります。8,334円以上を前借りする場面がほとんどでしょうから、実際には定額型が有利な場合が大半です。
勤務先がどちらの型を導入しているかは選べません。社内の案内か利用画面で型を確かめ、定率型なら受け取る額を必要な分だけに絞ってください。定率型では、多めに受け取った分にもそのまま6%がかかります。
3,000円は説明しなくて済む値段です
サービスを通さず、会社が直接応じる形もあります。就業規則に定めを置いているか、総務や経理が個別に扱うかのどちらかです。
この形に手数料は発生しません。会社が立て替えて次の給与で差し引くだけなので、年率に直しても0%のままです。5万円を10日前に受け取る同じ行為が、サービス経由なら3,000円、会社経由なら0円ということになります。
では全員が会社に頼むかというと、そうはなりません。頼めば理由を聞かれるからです。制度として整えている会社でも、慶弔や災害といった事由に限っていることが多く、申請書に用途を書かせる運用も珍しくありません。
| 会社に申し出る | 手数料0円。理由を伝えることになります。 |
|---|---|
| サービスを使う | 5万円で3,000円。理由は誰にも伝わりません。 |
つまり3,000円は前借りの対価ではなく、事情を説明せずに済ませるための値段です。そう捉えたうえで、払う価値があるかを決めてください。知られたくない事情がないなら、まず社内の制度を調べるのが順当です。
知られたくないという条件が最優先であれば、借入側でも同じ論点が出てきます。勤務先への連絡をどう扱うかは在籍確認の解説にまとめています。
非常時払いは手数料がかからない
法律上、会社に支払い義務が生じる場面があります。労働基準法第25条です。
労働者が出産、疾病、災害その他の非常の場合の費用に充てるために請求したときは、会社は支払期日前であっても、すでに働いた分の賃金を支払わなければならないと定められています。手数料は発生しません。
| 対象になる事由 | 出産、疾病、災害、結婚、死亡、やむを得ない事由による1週間以上の帰郷など |
|---|---|
| 対象になる金額 | 請求時点ですでに働いた日数分の賃金です。まだ働いていない分は含まれません。 |
対象は本人の事由に限りません。その収入で暮らしている家族の身に起きたことも対象に入ります。医療費が急に要るようになった場合は、まずここに当たるかを見てください。
この制度には、他のどの手段にもない性質があります。費用が日数で動かないという点です。定率型のサービスは給料日まで10日なら年率219.0%、20日なら109.5%と、近づくほど重くなります。非常時払いは10日前でも1日前でも0円のままです。期日が迫るほど有利になる唯一の選択肢ということになります。
ただし請求できるのは、その時点ですでに働いた日数分に限られます。月20日勤務で10日目なら、月給の半分までです。これで足りなければ、不足分だけを他の手段で埋めることになります。
どちらを選ぶかの判断
年率で並べると、選び方は金額と日数で決まります。
| 状況 | 年率で見た負担 | 備考 |
|---|---|---|
| 非常時払いに該当する | 0% | 手数料はかかりません |
| 会社の制度で前借り | 0%に近い | 制度の有無と事由の限定を確認します |
| 定額型のサービス・20日前 | 18.2% | 貸金業者の上限とほぼ同水準です |
| 貸金業者から借入 | 18.0%前後 | 日割りのため早く返すほど軽くなります |
| 定率型のサービス・10日前 | 219.0% | 短い期間ほど重くなります |
前借額5万円を前提とした比較です。
並べると、年率が二桁で収まるものと三桁になるものに分かれます。分岐しているのは金額ではなく、費用が日数に比例するかどうかです。日割りで動く貸金業者と、1回いくらで固定されるサービスとでは、10日という短さの意味が正反対になります。
順番としては、非常時払いに当たるかを最初に見て、次に社内の制度、それでも届かない分をサービスか借入で埋める形になります。この確認に数分しかかかりません。急いでいるときほど表示された手数料の数字だけで決めてしまいがちですが、順番を守るだけで負担が二桁変わります。
前借りで足りるのは、給料日までのつなぎに限られます。金額が数万円を超えるか、次の給料でも返しきれない見込みであれば、前借りを繰り返すより一度で整理したほうが結果的に軽く済みます。少額を短期で扱う場合の比較は横浜の少額融資にまとめました。
前借りを名乗る個人からの勧誘
同じ言葉を使いながら、まったく別のものが混ざっています。会員制交流サイトで給料日までの立替えを申し出る個人がその例です。
名目が何であれ、返す額が受け取った額を上回るなら差額は利息です。これを反復して行うには登録が要り、持たずに営めば10年以下の懲役もしくは3,000万円以下の罰金にあたります。
年率で見ると差はさらに開きます。5万円を10日、謝礼1万円という条件なら年率730.0%。定率型サービスの219.0%の3倍を超え、貸金業者の上限である年20.0%とは比べる意味がない水準です。
費用以上に重いのは、身分証と勤務先を相手に渡してしまう点です。取り立てや情報の転用に結びついた例が報告されています。相手が登録を受けているかは金融庁の検索で数分で分かります。書面の交付も取り立ての方法も法律で決まっている相手かどうかを、渡す前に見てください。手順は登録の確認方法に置きました。
横浜で利用する場合
このサービスは勤務先が契約しているかどうかで決まります。住んでいる場所は関係しません。横浜に住んでいて勤務先が都内なら、従うのは都内の会社の制度です。
市内は物流と小売の事業所が多く、シフト勤務との相性からこの種のサービスを入れている職場は比較的多い傾向があります。ただし導入していること自体は、型が有利であることを意味しません。定率型を入れている職場なら、8,333円を超える前借りでは定額型より重くなります。導入の有無より、どちらの型かを先に見てください。
非常時払いのほうは勤務先の判断ではなく、労働基準法にもとづく権利です。地域による違いはなく、全国で同一に扱われます。相談先は住所地ではなく勤務先の所在地を管轄する労働基準監督署で、市内であれば横浜南労働基準監督署などが受け持ちます。
前借りは借入ではないため、比較の土俵が違います。借入側の選択肢は横浜でお金を借りるから辿ってください。
よくある質問
給与前払いサービスの手数料は高いのですか?
なぜ上限金利が適用されないのですか?
定額型と定率型はどちらが有利ですか?
手数料なしで前借りする方法はありますか?
非常時払いはいくらまで請求できますか?
SNSで見かける立て替えの勧誘は利用できますか?
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