収入が月ごとに動く働き方では、平均から返済額を出すと途中で崩れます。繁忙期に21万円、閑散期に14万円という人の平均は17万5千円。ここから8%を返済に回すと14,000円ですが、14万円しか入らない月には収入の10.0%になります。低いほうの月を基準にすれば11,200円。この差で借りられる額は280,426円から224,341円まで動きます。なお総量規制の上限は70万円で、どちらにも届いていません。
平均で組むと閑散期に崩れます
返済額は平均月収からではなく、最も低い月の収入から決めてください。平均は実在しない月の数字だからです。
年収を12で割った額は、家計の計算には使えます。ところが返済は毎月同じ日に同じ額が引き落とされる約束で、平均が入ってくる月を待ってはくれません。年に何度か平均を下回る月があるなら、その月に払えるかどうかが唯一の条件になります。
繁忙期21万円、閑散期14万円という例で見ます。年収は210万円で、平均すると月17万5千円です。返済に回せるのは収入の8%までと決めたとしましょう。
| 基準にする月 | 月の収入 | 返済に回す額 | 閑散期の負担率 |
|---|---|---|---|
| 平均 | 175,000円 | 14,000円 | 10.0% |
| 最も低い月 | 140,000円 | 11,200円 | 8.0% |
収入の8%を返済の上限と置いた場合の試算です。実際に無理のない比率は家賃や扶養の状況によって変わります。
平均で組んだ14,000円は、14万円しか入らない月には収入の10.0%を占めます。決めたはずの8%を2ポイント超えている状態で、これが年に何か月か続きます。超えた分はどこかから出すことになり、多くの場合は別の借入か、支払いの先送りです。
同じ人で56,085円変わります
基準の取り方だけで、借りられる額そのものが動きます。年18.0%・24回で返す場合を並べます。
| 毎月の返済 | 借りられる額 | 返済総額 | 利息 |
|---|---|---|---|
| 14,000円 | 280,426円 | 336,000円 | 55,574円 |
| 11,200円 | 224,341円 | 268,800円 | 44,459円 |
年18.0%・元利均等・24回で計算した概算です。実際の適用金利と回数は審査と契約により決まります。
差は56,085円です。平均で組めば5万6千円ぶん多く借りられる計算になりますが、その5万6千円は閑散期に払えない前提で成り立っています。多く借りられたのではなく、払えない月を勘定に入れ忘れただけということです。
利息の側にも差が出ます。55,574円と44,459円で、11,115円の開きです。多く借りれば利息も増えるので当然ですが、増えた利息は繁忙期にも閑散期にも同じようにかかります。
低いほうで組んで足りるかどうかは、先に確かめられます。返済シミュレーションに閑散期の月収から出した返済額を入れてみてください。
総量規制は制約になっていません
年収210万円なら、貸金業者から借りられる上限は70万円です。年収の3分の1という枠で、他社の残高も合算されます。
ところがこの70万円は、いま出した数字のどちらにも遠く届いていません。
| 総量規制の上限 | 700,000円。制度が引いている線です。 |
|---|---|
| 平均で組んだ場合 | 280,426円。上限の2.5分の1です。 |
| 低い月で組んだ場合 | 224,341円。上限の3.1分の1です。 |
つまり枠が余っていても、返せる額がそこまで届きません。審査に通るかどうかを心配する前に、自分の側で先に線が引かれているということです。
逆に言えば、上限まで借りられると案内されても、それは返せる保証ではありません。制度は貸す側の総額を抑えるための仕組みで、借りた人の毎月を見ているわけではないからです。枠の数え方は総量規制の解説に、審査で見られる項目は審査基準にまとめました。
京都で収入に波が出る働き方
市内には、月ごとの収入が動きやすい働き方が集まっています。
| 観光に関わる仕事 | 宿泊、飲食、土産物、交通。春と秋に人手が要り、冬場と梅雨どきに減ります。 |
|---|---|
| 学生のアルバイト | 試験期間と長期休暇でシフトが動きます。仕送りは労働による収入ではないため枠の計算に入りません。 |
| 季節契約や短期の雇用 | 行事や繁忙期に合わせた雇用で、契約が切れる月があります。 |
| 歩合や指名で変わる収入 | 固定給が低く、変動部分が大きい形です。 |
どれも年収で見れば安定して見えることがあります。問題は年収ではなく、その内訳が月ごとにどれだけ揺れるかです。同じ年収210万円でも、毎月17万5千円ずつ入る人と、21万円と14万円を行き来する人では、組める返済額が違います。
自分がどちらかは、通帳を12か月ぶんさかのぼれば分かります。いちばん少なかった月を見つけてください。その月の額が、これから決める返済額の土台になります。
波のある収入を書類でどう示すか
審査では、収入の額だけでなく安定しているかどうかも見られます。波があること自体は不利に働きますが、示し方で扱いが変わります。
| 直近1か月の給与明細 | その月が繁忙期か閑散期かで印象が変わります。1枚だけでは実態を示せません。 |
|---|---|
| 数か月分の給与明細 | 波の幅がそのまま伝わります。低い月を隠さずに出すほうが、あとの食い違いを防げます。 |
| 源泉徴収票 | 年間の合計が1枚で示せます。月ごとの内訳は出ません。 |
| 確定申告書 | 給与以外の収入がある場合に必要です。年単位の記録になります。 |
申告する年収は、繁忙期の月収を12倍した額にしないでください。書類と合わなくなり、確認に時間がかかります。合計額そのものは源泉徴収票や申告書で確かめられるので、食い違いはすぐに見つかります。
勤務先への連絡が心配な場合、書類で代えられる会社があります。扱いは一律ではないため、申込の前か直後に相談してください。方法と代わりになる書類は在籍確認の解説にまとめました。
猶予の長さで手段が入れ替わります
返済額を決めたら、次は借入先です。ここで効いてくるのは金利より、いつまでに要るかのほうです。
| 当日から数日 | 消費者金融が中心になります。銀行は審査に警察庁のデータベース照会が入るため、当日には届きません。 |
|---|---|
| 2週間から1か月 | 銀行のカードローンが候補に入ります。年14.0%前後で、消費者金融より低い水準です。 |
| 1か月以上 | 公的な貸付制度が使えます。無利子または年1.5%程度で、社会福祉協議会が窓口です。 |
公的な制度は年収の3分の1という枠の外にあります。すでに貸金業者からの残高がある人でも、別枠として相談できるということです。区分ごとの上限と返す期間は生活福祉資金に並べました。
すでに複数の返済を抱えているなら、新しく借りる前に整理するほうが先です。毎月の合計が閑散期の収入を圧迫しているなら、借り足しても同じ月に詰まります。整理が先か借入が先かの見分け方はおまとめの解説で扱っています。手段ごとの費用と速さの違いは借入先の違いを比較に並べました。
避けたほうがよい相手
収入に波があると、審査に通るか不安になります。その不安につけ込む相手がいます。
| 登録のない業者 | 無登録での営業は10年以下の懲役もしくは3,000万円以下の罰金にあたります。 |
|---|---|
| 審査なしをうたう相手 | 返済能力の調査は貸金業法第13条が課した義務で、省略できると掲げること自体が枠の外にいる証拠です。 |
| 先に費用を求める相手 | 契約の前に保証料や手数料の名目で入金させるのは正規の手順ではありません。 |
| 買取や立替をうたう形 | 形式を変えていても、実質が貸付なら登録が必要です。 |
照合そのものは数分で終わります。金融庁が公開している登録貸金業者情報検索サービスに番号か商号を入れるだけです。番号が実在することだけで安心しないでください。表示された商号と所在地が、申し込もうとしている相手と揃って一致しているかまで見ます。照合の進め方は正規の貸金業者に置いてあります。
京都11区の相談先
費用をかけずに相談できる窓口が市内にあります。
| 各区の社会福祉協議会 | 生活福祉資金の相談と申込を受け付けています。 |
|---|---|
| 京都市消費生活総合センター | 契約や取り立てに関する相談を扱います。 |
| 京都府の貸金業担当課 | 府知事登録の業者について、相談と登録の確認に応じます。 |
| 近畿財務局 | 財務局長登録の業者を担当する窓口です。 |
北、上京、左京、中京、東山、下京、南、右京、伏見、山科、西京の11区それぞれに社会福祉協議会が置かれています。担当になるのは住民登録のある区で、勤務先の場所は関係ありません。窓口へ行く前に受付の時間を電話で確かめておくと、二度手間になりません。
府内だけで営業する業者は京都府知事の登録、複数の府県にまたがる業者は近畿財務局長の登録になります。登録先が違っても、守るべき法律も上限金利も同じです。
威圧を感じる言動があったとき、あるいは連絡の回数が度を越していると感じたときは、その時点で警察署に相談してください。
よくある質問
返済額は平均月収から決めてよいですか?
基準を変えると借りられる額はどれくらい違いますか?
総量規制の上限まで借りられますか?
収入に波があると審査で不利になりますか?
年収は繁忙期の月収から計算してよいですか?
京都の区によって条件は変わりますか?
京都市の地図
社会福祉協議会は市内11区のすべてに置かれています。学費に関する相談は、まず在学先の窓口が入口になります。