毎月5万円を定率6%の給与前払いサービスで受け取ると、手数料は年間36,000円になります。同じ5万円を年18.0%で1年間借りたままにした場合は9,000円。4倍です。前払いは1回だけなら手軽ですが、毎月続けると借入より高くつく。ただし定額500円型なら年間6,000円で、借りるより安く収まります。型の違いで結論が反転します。
毎月使うと年間いくらになるか
毎月5万円を給料日前に受け取る前提で、1年分を並べます。比較の基準は、同じ5万円を年18.0%で1年間借りたままにした場合です。
| 手段 | 年間コスト | 借入との比 |
|---|---|---|
| 定額500円の前払いを毎月 | 6,000円 | 0.7倍 |
| 5万円を1年借りたまま(年18.0%) | 9,000円 | 基準 |
| 定率3%の前払いを毎月 | 18,000円 | 2.0倍 |
| 定率6%の前払いを毎月 | 36,000円 | 4.0倍 |
手数料の設定はサービスにより異なります。記載の率での試算です。
定率6%を毎月使うと、借入の4倍かかります。差は年間27,000円。一方で定額500円型なら3,000円安く済みます。同じ「前払いサービス」でも、負担は6倍違います。
なぜ繰り返すと逆転するのか
手数料の課され方が違うためです。
借入の利息は、借りている日数に応じて増えます。5万円を1年間借りっぱなしにすれば9,000円ですが、毎月返して毎月借り直しても、借りている日数の合計が同じなら利息も同じです。
前払いサービスの手数料は、受け取るたびに発生します。日数は関係ありません。給料日の前日に受け取っても、20日前に受け取っても、定率6%なら3,000円です。
| 借入の利息 | 日数に比例します。回数は関係ありません。 |
|---|---|
| 前払いの手数料 | 回数に比例します。日数は関係ありません。 |
したがって、使う回数が増えるほど前払いが不利になります。年12回使えば、手数料も12回分かかります。
1回だけなら結論が変わる
逆に、年に1回だけという使い方なら話は別です。給料日まで10日という場面で比べます。
| 借入(年18.0%・10日) | 247円 |
|---|---|
| 定額500円の前払い | 500円 |
| 定率6%の前払い | 3,000円 |
金額としてはどれも小さく、247円と500円の差は253円です。手続きの手軽さを考えれば、前払いを選ぶ判断も十分にあります。
問題になるのは頻度です。1回なら数百円の差でも、毎月なら年間で万単位に開きます。自分がどちらの使い方をしているかで、見るべき数字が変わります。
定額型か定率型かを確認する
表のとおり、型の違いが最も大きく効きます。勤務先が導入しているサービスがどちらかは、社内の案内か利用画面で確認できます。
| 型 | 特徴 |
|---|---|
| 定額型 | 1回いくらで固定。金額が大きいほど率としては軽くなります。 |
| 定率型 | 前借額に比例。少額なら手数料額も小さくなります。 |
1万円を受け取る場合、定率6%なら600円、定額500円なら500円でほぼ同じです。ところが5万円なら3,000円と500円で6倍の差になります。金額が大きいほど定額型が有利です。
年率に直して比べると差が見えやすくなります。5万円を10日前に定率6%で受け取ると、年率換算では219.0%。定額500円なら36.5%です。
上限金利が適用されない理由
年219%という数字を見ると違法ではないかと思われますが、違反ではありません。
利息制限法や出資法の上限は、貸付に対するものです。給与前払いサービスが渡すのは、労働によってすでに発生した賃金です。新たに金銭を貸すわけではないため、貸付には分類されません。そのため上限金利の枠には入らず、手数料の水準を縛る法律上の天井もありません。
| 貸金業者からの借入 | 利息制限法により、10万円未満は年20.0%、100万円未満は年18.0%が上限です。 |
|---|---|
| 給与前払いサービス | 貸付ではないため上限金利の適用外です。手数料は各社が設定します。 |
制度として違法なわけではなく、比較の土俵が違うということです。正規の貸金業者であれば上限は法律で決まっています。登録の確認方法は正規の貸金業者にまとめました。
手数料がかからない制度
法律上、会社に支払い義務が生じる場面があります。労働基準法第25条です。
非常の場合の費用に充てる目的で労働者が請求したときは、支払期日の前であっても、既往の労働に対応する賃金を支払わなければならない、という定めです。手数料は発生しません。
| 対象になる事由 | 出産、疾病、災害、結婚、死亡、やむを得ない事由による1週間以上の帰郷など |
|---|---|
| 対象になる金額 | 請求時点ですでに働いた日数分の賃金です。 |
本人だけでなく、収入によって生計を維持する家族の事由も含まれます。急な医療費が生じた場面では、この制度に当てはまるかを最初に確かめてください。
勤務先が独自に持つ制度
サービスを介さず、会社が直接応じる場合もあります。就業規則に定めがあるか、総務や経理に相談する形です。
この場合、手数料はかからないことがほとんどです。会社が立て替え、次の給与で精算するだけだからです。使えるなら最も負担が軽い方法になります。
そもそも制度を持たない会社も多く、あっても慶弔や災害といった事由に絞られている例が目立ちます。申し出た時点で事情を説明することになるため、知られたくない場合には選びにくい手段です。
誰にも知られずに手当てしたい場合は、在籍確認の扱いが論点になります。詳細は在籍確認の解説に書きました。
毎月使っている状態をどう抜けるか
毎月の前借りが常態化しているなら、手数料の型を変えるより先に考えることがあります。
毎月5万円を前借りしているということは、月の収支が5万円足りていないということです。前払いはそのずれを翌月に送り続ける仕組みで、解消はしません。むしろ定率6%なら年間36,000円の手数料が上乗せされ、ずれは広がります。
| 状況 | 取れる手 |
|---|---|
| 一時的なずれ | 前払いか少額の借入で足ります。1回なら数百円の差です。 |
| 毎月続いている | 手数料の型を見直し、支出側の固定費を洗い出します。 |
| すでに複数の返済がある | まとめて整理する方向を検討します。 |
返済が複数ある場合の整理はおまとめの解説に、公的な制度は大阪でお金を借りるにまとめています。
大阪で利用する場合
給与前払いサービスは勤務先が導入しているかで決まるため、居住地は関係ありません。大阪市内に住んでいても、勤務先が府外であれば勤務先の制度に従います。
非常時払いについては全国共通で、労働基準法にもとづく権利です。相談先は勤務先の所在地を管轄する労働基準監督署になります。大阪市内であれば大阪中央労働基準監督署などが管轄です。
また、SNSなどで「給料日まで立て替えます」と持ちかける勧誘には注意してください。業として反復して行えば貸金業の登録が必要で、無登録なら貸金業法違反です。身分証や勤務先の情報を渡すことになるため、後から取り立てや情報の流用につながる例が報告されています。
前借りは借入ではないため、条件の土俵が違います。借入側の選択肢は大阪でお金を借りるから辿ってください。
よくある質問
毎月前借りすると年間いくらかかりますか?
なぜ繰り返すと借入より高くなるのですか?
1回だけ使う場合はどうですか?
定額型と定率型はどちらが有利ですか?
なぜ上限金利が適用されないのですか?
費用をかけずに前借りできますか?
大阪市の地図
社会福祉協議会は市内24区のすべてに置かれています。窓口へ行く前に受付の時間を確かめておくと確実です。