家はあるが現金が足りない、という状態に向けた公的な制度があります。生活福祉資金の不動産担保型生活資金といい、住んでいる家と土地を担保にして生活費を毎月受け取り、亡くなったあとに不動産を処分して一括で清算する仕組みです。65歳以上で、その家に住み続けたまま使えます。貸付の限度額は土地の評価額の7割程度。評価額2,000万円なら1,400万円で、月10万円ずつ受け取れば利息を含めて10年ほどで上限に届く計算になります。
住み続けたまま借りる制度です
居住している不動産を担保に入れますが、引き渡すわけではありません。そのまま住み続けながら、毎月の生活費を受け取ります。売却とは違う形です。
返済は、借りている本人が亡くなるなどして契約が終わった時点で行われます。その際に不動産を処分し、そこから一括で清算するのが基本の形です。
| 対象になる人 | 65歳以上の高齢者世帯で、居住用の不動産を所有し、そこに住んでいる方です。 |
|---|---|
| 受け取り方 | 毎月一定額が振り込まれます。まとまった額を一度に受け取る形ではありません。 |
| 利率 | 年3%、または長期プライムレートのいずれか低いほうが適用されます。 |
| 窓口 | 各区の社会福祉協議会です。 |
毎月の受け取りという形が、年金の補いとして噛み合います。まとまった額が必要な場面には向きません。
限度額は評価額の7割です
いくらまで借りられるかは、担保に入れる土地の評価で決まります。
目安は評価額の7割程度です。建物ではなく土地の評価が基準になるのが通例で、建物の価値はほとんど算入されません。
| 土地の評価額 | 限度額の目安 |
|---|---|
| 10,000,000円 | 7,000,000円 |
| 20,000,000円 | 14,000,000円 |
| 30,000,000円 | 21,000,000円 |
評価額の7割を機械的に当てはめた数字です。実際の評価方法と割合は実施主体の定めによります。
7割に抑えられているのは、利息が積み上がる分と、将来の評価の変動を見込んでいるためです。担保割れを避けるための余裕にあたります。
自分の土地がいくらに評価されるかは、申請の過程で調べられます。固定資産税の通知に載っている評価額とは基準が違うので、そのままの額にはなりません。
月10万円なら10年で届きます
限度額に届くまでの期間を出しておきます。
| 月の受取額 | 年間 | 1,400万円に届くまで |
|---|---|---|
| 50,000円 | 600,000円 | およそ20年 |
| 100,000円 | 1,200,000円 | およそ10年 |
| 200,000円 | 2,400,000円 | およそ5年 |
限度額1,400万円に対し、利息の積み上がりを含めた目安です。実際の期間は利率と評価額により変わります。
上限に届いたら、そこで受け取りは止まります。契約が終わるわけではなく、貸付だけが終わる形です。
だから、月にいくら受け取るかは慎重に決めてください。多く受け取れば早く上限に達し、その後の年数が長ければ生活費の当てがなくなります。
年金の額と合わせて、毎月いくらあれば足りるかを先に出す。その差額を受取額にするのが順序になります。
推定相続人の同意が要ります
この制度には、本人以外の同意という条件があります。
相続することになる人の同意が求められます。担保に入れた不動産は、亡くなったあとに処分されて清算に充てられるため、相続する側の利害に直接関わるからです。
だから、家族に知らせずに進めることはできません。話し合いが前提になる制度だということです。
逆に言えば、家を残す必要がない、あるいは相続する人が納得しているなら、この条件は問題になりません。家を残すか、生活費に充てるかという選択そのものになります。
話しにくい場合でも、窓口で相談することはできます。切り出し方まで含めて聞いてみてください。
民間の商品との違い
金融機関にも似た仕組みの商品があります。
| 年齢の条件 | 公的な制度は65歳以上。民間では55歳や60歳からのものもあります。 |
|---|---|
| 資金の使いみち | 公的な制度は生活費です。民間ではリフォームや医療費など、限定される商品があります。 |
| 担保割れの扱い | 処分しても足りない場合に相続人へ請求するかどうか、商品によって分かれます。 |
| 金利 | 民間は変動が中心です。上がれば残高の増え方も速くなります。 |
三つ目は必ず確かめてください。足りない分を相続人が負わない扱いになっている商品と、そうでない商品があります。
四つ目も重いところです。長い期間の契約なので、金利が動けば残高の伸び方が変わります。
使えない場合もあります
条件に当たらない状況を挙げておきます。
| 賃貸に住んでいる | 担保にする不動産がないため使えません。 |
|---|---|
| 共有になっている | 共有者の同意など、追加の条件が生じます。 |
| 抵当権が付いている | 住宅ローンが残っていれば、原則として担保に入れられません。 |
| 評価額が低い | 担保としての価値が足りないと、貸付が成り立ちません。 |
四つ目は、地方の物件で起こりやすい制約です。土地の評価が低ければ限度額も小さくなり、制度として使う意味が薄くなります。
当てはまらない場合は、他の種類を見ることになります。制度そのものが使えなくても、別の入口が残っているという意味です。
生活福祉資金の他の種類
不動産を持っていなくても使える種類があります。
緊急かつ一時的に生計の維持が困難になった世帯には少額を扱う種類が、失業や減収で立て直しが必要な世帯には数か月にわたって受け取る種類が用意されています。
いずれも無利子または低利で、連帯保証人の有無で利率が変わる仕組みです。窓口は同じく各区の社会福祉協議会になります。
種類ごとの要件と限度額は生活福祉資金にまとめました。どれに当たるか分からなくても、相談すれば案内してもらえます。
貸金業者から借りる場合との違いは、審査で見るものにも表れます。公的な制度は世帯の状況で判断しますが、民間は本人の収入で枠を計算します。数え方は総量規制の解説に置きました。
北九州で申し込む場合
制度の要件は国の定めによるもので、市内7区による違いはありません。窓口が区ごとに置かれているだけです。
申請から交付まで、不動産の評価と推定相続人の同意という工程が入るため、他の種類より日数がかかります。急いでいる場面には向きません。
相談の段階では、固定資産税の通知書と、家族構成が分かるものを持っていくと話が進みます。評価額の目安をその場で立ててもらえます。
急ぎの資金が必要な場合の手段は北九州で今すぐお金が必要に、年金と枠の関係は北九州でお金を借りるに置きました。不動産を担保にすると持ちかけてくる相手への対処は北九州の正規貸金業者にまとめてあります。
よくある質問
家に住み続けられますか?
いくらまで借りられますか?
どれくらいの期間もちますか?
家族に知られずに使えますか?
民間の商品とどこが違いますか?
住宅ローンが残っていても使えますか?
北九州市の地図
社会福祉協議会は市内7区のすべてに置かれています。担当になるのは住民登録のある区で、年金を受け取っている世帯の相談も同じ窓口です。