労働基準法には、支払日の前でも賃金を請求できる定めがあります。ただし請求できるのは、すでに働いた分だけ。月給25万円なら1日あたり8,333円ずつ積み上がります。一方、必要な額は給料日まで遠いほど大きい。つまり給料日から遠い時期ほど、必要額は大きく請求できる額は小さいという逆の動きをします。境目は給料日の19日前です。
請求できるのは働いた分だけ
労働基準法第25条は、非常の場合の費用に充てるための請求であれば、支払期日前でも既往の労働に対する賃金を支払わなければならないと定めています。月給25万円で、支払対象期間の経過日数ごとに並べます。
| 経過日数 | 請求できる額 |
|---|---|
| 5日 | 41,667円 |
| 10日 | 83,333円 |
| 15日 | 125,000円 |
| 20日 | 166,667円 |
| 25日 | 208,333円 |
暦日で割った概算です。実際は働いた日数で数えますが、所定労働日を月20日とすると1日12,500円となり、同じ結果になります。
1日あたり8,333円ずつ、請求できる額が積み上がります。まだ働いていない分は対象外です。手数料や利息はかかりません。
必要額と請求可能額は逆に動く
ここで問題になるのは、必要額のほうも日数で動くという点です。
月の生活費を15万円とすれば、1日あたり5,000円。給料日まで残り20日なら10万円、残り10日なら5万円が必要になります。給料日から遠いほど必要額は大きくなります。
ところが請求できる額は、給料日から遠いほど小さい。両者は反対の方向へ動きます。
| 給料日まで | 必要額 | 請求できる額 | 差 |
|---|---|---|---|
| 残り25日 | 125,000円 | 41,667円 | 83,333円不足 |
| 残り20日 | 100,000円 | 83,333円 | 16,667円不足 |
| 残り15日 | 75,000円 | 125,000円 | 50,000円余る |
| 残り10日 | 50,000円 | 166,667円 | 116,667円余る |
境目は給料日の19日前
2つの線が交わる点を出すと、19日前になります。
残り18日なら必要額90,000円に対して請求できるのが100,000円で足ります。残り19日では95,000円に対して91,667円となり、3,333円足りません。この日を境に、制度だけで足りるかどうかが変わります。
| 給料日まで18日以内 | 請求できる額が必要額を上回ります。 |
|---|---|
| 給料日まで19日以上 | 請求しても足りません。差額を別に用意することになります。 |
月給と生活費の比率が変われば、この日数も動きます。手取りに対する生活費の割合が高いほど、境目は給料日に近づきます。自分の数字で出すには、生活費の日割りを月給の日割りで割って、30を掛けてください。
不足分だけを短期で借りる場合の考え方は福岡の少額融資にあります。
請求できる場合は限られる
第25条は、どんな理由でも使えるわけではありません。省令で場合が定められています。
| 出産・疾病・災害 | 本人、または収入によって生計を維持する家族に生じた場合です。 |
|---|---|
| 結婚・死亡 | 同じく本人または生計を維持する家族についてです。 |
| やむを得ない帰郷 | 1週間以上にわたる場合が対象になります。 |
生活費が足りないという理由だけでは、この条文に当てはまりません。当てはまる事情があるなら、遠慮せずに請求してください。手数料も利息もかからない唯一の方法です。
会社が拒む場合、法律上の義務に反することになります。応じてもらえないときは労働基準監督署が相談先です。
会社の制度としての前借り
法律の定めとは別に、会社が独自の制度を持っていることがあります。
就業規則や賃金規程に前払いの定めがあれば、理由の制限が緩い場合があります。慶弔見舞金や社内融資といった形で用意されている会社もあります。まず自社の規程を確認してください。
社内融資は、金利が低く設定されているのが一般的です。返済は給与から差し引かれる形になります。手続きに数日から数週間かかるため、急ぐ場合には向きません。
制度の有無は会社によって大きく違います。総務や人事に問い合わせるのが確実です。
会社に前借りを申し出ること自体が働きにくさにつながるのではないか、という懸念もあります。第25条に基づく請求は労働者の権利であって、恩恵として与えられるものではありません。ただし社内の制度を使う場合は、事情を説明する範囲が広くなる点は踏まえておいてください。
前払いサービスの位置づけ
会社が外部の給与前払いサービスを導入している場合もあります。
働いた分を給料日前に受け取れる仕組みで、利用のたびに手数料がかかります。定額の場合と、引き出す額に対する割合の場合があります。会社が導入していなければ個人では使えません。
手数料は利息ではありませんが、負担であることに変わりはありません。月に何度も使えば、まとまった額になります。
| 法律上の請求 | 費用はかかりません。理由に制限があります。 |
|---|---|
| 社内融資 | 低い金利が設定されます。手続きに日数がかかります。 |
| 前払いサービス | 理由は問われません。利用ごとに手数料がかかります。 |
就業規則は労働者が閲覧できる状態に置かれているのが原則です。手元になければ、総務に写しを求めることができます。制度があるのに知らずに外部で借りているという例は珍しくありません。借入先を比べる項目を見る前に、社内で使えるものがないかを先に確かめてください。
どれも使えないとき
会社に制度がなく、法律上の要件にも当てはまらない場合、残るのは外部の手段です。
足りないのが差額だけであれば、借りる額もその分で済みます。給料日に一括で返せる短期の借入であれば、無利息期間を使って利息が0円になることもあります。
公的な制度が使える場合もあります。世帯の状況によって対象が変わるため、区の窓口で確かめる価値があります。日数はかかりますが金利は低く設定されています。
制度の区分と申込先は公的融資の区分にまとめました。
差額だけを埋める場合、期間は給料日までの数日から数十日で済みます。この長さなら無利息期間の有無が費用をほぼ決めるため、金利そのものを比べるより先にそこを見てください。日数ごとの実効年率は福岡の消費者金融に出しました。
申し出るときの伝え方
会社に伝えるとき、押さえておく点があります。
| 根拠を示す | 労働基準法第25条に基づく請求であることを伝えます。 |
|---|---|
| 事情を具体的に | 省令で定められた場合のどれに当たるかを示します。 |
| 金額を明確に | 既往の労働に対する範囲であることを確かめてから伝えます。 |
働いていない分まで求めると、それは前借りであって第25条の請求ではありません。会社が応じる義務もなくなります。範囲を守ることが、話を通しやすくします。
口頭でも請求は成り立ちますが、書面で残しておくほうが後の行き違いを防げます。
福岡での相談先
福岡には、賃金に関する相談を受け付ける窓口があります。
| 労働基準監督署 | 賃金の未払いや第25条の請求について相談できます。 |
|---|---|
| 福岡労働局 | 労働条件全般の相談窓口が置かれています。 |
| 各区の社会福祉協議会 | 公的な貸付制度の相談と申込を受け付けています。 |
いずれも費用はかかりません。会社との話が進まない場合、監督署へ相談した事実が交渉の材料になることもあります。
福岡で使える選択肢を横に並べたものは福岡でお金を借りるにあります。
よくある質問
給料日前にいくら請求できますか?
請求できる額で足りますか?
境目の日数はどう出しますか?
どんな理由でも請求できますか?
会社が応じてくれない場合はどうしますか?
前払いサービスとは何が違いますか?
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社会福祉協議会は市内7区のすべてにあります。担当は住民登録のある区で、通勤先の場所は問われません。