給料の前借りには、法律が認めた非常時払いと、会社や民間の前払いサービスの二つがあります。前者は事由が法律で決まっていて、出産や病気、災害などに限られます。後者は事由を問われませんが手数料がかかり、3万円を給料日の10日前に受け取って500円なら、年率に直すと60.8%に当たります。定率6%なら1,800円で、年219.0%です。同じ3万円を年18.0%で10日借りれば147円なので、短い期間ほど定額の手数料は重くのしかかります。
前借りには二種類あります
法律が使用者に義務づけている非常時払いと、事由を問わない前払いサービス。仕組みも費用もまったく違います。同じ前借りという言葉で語られるので、混ざりやすいところです。
| 非常時払い | 労働基準法第25条にもとづく請求です。事由に当てはまれば、使用者は支払わなければなりません。費用はかかりません。 |
|---|---|
| 会社独自の制度 | 就業規則で定めているものです。あるかどうかは会社によります。 |
| 民間の前払いサービス | 勤務先が導入していれば使えます。事由は問われませんが、引き出すたびに手数料がかかります。 |
上から順に、費用は上がり、使いやすさも上がります。急いでいるときに目に入るのは三つ目ですが、事由が当てはまるなら一つ目のほうが確実に安く済みます。
どれを使うにしても、まず自分の勤務先に何があるかを知る必要があります。就業規則か、人事の担当窓口で確かめられます。
非常時払いは事由が決まっています
労働基準法第25条は、労働者が請求した場合に、支払期日の前でも既に働いた分の賃金を支払うよう使用者に求めています。ただし請求できる事由は限られています。
| 事由 | 対象になる人 |
|---|---|
| 出産 | 本人または生計を同じくする家族 |
| 疾病、負傷 | 本人または生計を同じくする家族 |
| 災害 | 本人または生計を同じくする家族 |
| 結婚、死亡 | 本人または生計を同じくする家族 |
| やむを得ない事由による1週間以上の帰郷 | 本人または生計を同じくする家族 |
労働基準法第25条および同法施行規則第9条にもとづく整理です。運用の細部は勤務先の定めによります。
生活費が足りない、という理由はここに入っていません。当てはまらなければ、使用者に支払いの義務は生じません。
逆に当てはまるなら、遠慮する理由はありません。これは温情ではなく、法律が定めた請求権です。
働いた分までしか出ません
非常時払いで受け取れるのは、請求した時点までに働いた分の賃金です。まだ働いていない先の分は対象になりません。
月給30万円で、月の半ばに請求するなら、上限はおよそ15万円です。前借りという言葉から連想する「来月分を先に」という形にはなりません。
民間の前払いサービスも同じ考え方で、引き出せるのは勤怠の記録に応じた範囲です。締日までの労働時間が積み上がるにつれて、引き出せる額も増えていきます。
つまりどちらも、月末に近いほど使える額が大きくなります。月初に大きな不足があるなら、この手段では埋まりません。額の決め方はさいたまの少額融資にまとめました。
手数料500円は年60.8%に相当します
前払いサービスは貸付ではないので、支払うのは利息ではなく手数料です。ただし負担の重さは比べられます。
| 手数料の形 | 3万円あたり | 10日で使った場合の年率換算 |
|---|---|---|
| 定額500円 | 500円 | 年60.8% |
| 定率6% | 1,800円 | 年219.0% |
| 年18.0%で借りた場合 | 147円 | 年18.0% |
3万円を給料日の10日前に受け取った場合の概算です。手数料の額と方式は各サービスの定めによります。
貸付ではないため、利息制限法の上限はここに掛かりません。年20.0%を超えているように見えても違法ではない、という点は押さえておいてください。
それでも、支払う金額そのものは変わりません。10日という短い期間だからこそ、定額の手数料が重く出ます。同じ金額を1か月使えば、年率換算は3分の1に下がります。
使いどころは、少額を数日だけ埋めたい場面ではなく、審査を受けずに今日中に受け取りたい場面です。急ぐ日の手段の並べ方はさいたまで今すぐお金が必要に置きました。
勤務先の制度なので住所は関係ありません
前払いサービスも非常時払いも、勤務先に紐づいた仕組みです。どこに住んでいるかは条件に入りません。
県内に住んで都内で働いているなら、使えるかどうかを決めるのは都内の勤務先です。さいたま市の制度でも埼玉県の制度でもありません。
これは金融機関の営業区域とは逆の性質です。地域の金融機関は住んでいる場所か働いている場所で対象を切りますが、前借りは働いている場所だけを見ます。営業区域の条件はさいたまの銀行カードローンで扱いました。
転職したばかりなら、まだ働いた分が積み上がっていません。入社直後は、この手段が使えない時期にあたります。
信用情報には残りません
前借りは借入ではないので、指定信用情報機関に登録されません。
| 信用情報 | 登録されません。他社の審査に出てきません。 |
|---|---|
| 総量規制 | 対象外です。年収の3分の1という枠に関係しません。 |
| 勤務先には分かります | 給与の支払いに関わる手続きなので、社内で把握されます。 |
三つ目が唯一の代償です。外には残りませんが、内には残ります。頻繁に使えば、それが人事の記録に積み上がります。
気にする必要がない職場もあれば、そうでない職場もあります。判断は自分の勤務先の空気で決めてください。外部に知られたくないという理由だけなら、総量規制の解説で扱っている通常の借入のほうが、勤務先には見えません。
さいたまで頼めなかった場合
制度がない、事由に当てはまらない、あるいは頼みにくい。どれかで前借りが外れたら、次の手を考えることになります。
市内には費用のかからない相談先があります。各区の社会福祉協議会では生活福祉資金の相談を受けており、緊急小口資金のように貸付そのものを扱う制度もあります。ただし窓口は平日の日中で、交付までに日数もかかります。
期限まで日があるならそちらが安く済み、今日中に必要なら民間の手段になります。分かれ目は金利ではなく、動ける時間があるかどうかです。
そして急いでいるときほど、審査なしを掲げる相手が目に入ります。返済能力の調査は貸金業法第13条の義務なので、省けると書いてある時点で登録がないと考えて構いません。確かめ方は正規の貸金業者に置きました。
よくある質問
会社は前借りに応じる義務がありますか?
いくらまで受け取れますか?
前払いサービスの手数料は高いですか?
利息制限法の上限は適用されますか?
県外に勤めていても使えますか?
記録は残りますか?
さいたま市の地図
社会福祉協議会は市内10区のすべてに置かれています。担当になるのは住民登録のある区で、勤務先が都内であっても変わりません。