消費者金融は、銀行以外で個人向けに融資を行う貸金業者を指します。ノンバンクとも呼ばれ、預金を扱わず貸付だけを行う点が銀行との根本的な違いです。この業界は2010年の法改正で姿を変えました。それ以前は年29.2%まで合法だったため、50万円を5年で返すと利息が元本の91%に達しました。いま同じ条件なら52%です。
ノンバンクという呼び方が指すもの
預金を受け入れず、貸付だけを行う金融会社の総称です。消費者金融、信販会社、クレジット会社、事業者向けのリース会社まで含みます。個人向けの無担保融資を扱う会社を、一般には消費者金融と呼びます。
銀行との違いは資金の出どころにあります。銀行は預金者から集めた資金を貸します。ノンバンクは自社の資本や金融機関からの借入を原資にします。この構造の違いが、適用される法律の違いにつながっています。銀行は銀行法、ノンバンクは貸金業法です。
仕組みそのものの解説は消費者金融・ノンバンクに、銀行との使い分けは東京の銀行カードローンにまとめています。
2010年に何が変わったのか
2010年6月に改正貸金業法が完全施行されるまで、この業界には2つの上限金利が併存していました。利息制限法の15〜20%と、出資法の29.2%です。
利息制限法を超えても罰則がなく、出資法の29.2%を超えなければ刑事罰は受けない。この隙間が「グレーゾーン金利」と呼ばれ、多くの業者が20%台後半で貸していました。改正で出資法の上限が20%へ引き下げられ、この隙間は消えました。
何が変わったのかを実額で見ると、その大きさがわかります。
| 借入額 | 回数 | 旧上限 29.2% | 現行 18.0% | 差額 |
|---|---|---|---|---|
| 30万円 | 24回 | 99,613円 | 59,454円 | 40,160円 |
| 30万円 | 60回 | 273,547円 | 157,082円 | 116,466円 |
| 50万円 | 36回 | 256,263円 | 150,743円 | 105,520円 |
| 50万円 | 60回 | 455,912円 | 261,803円 | 194,109円 |
| 100万円 | 60回 | 911,824円 | 523,606円 | 388,219円 |
各時点の上限金利・元利均等返済での試算です。
50万円を5年で返す場合、旧上限では利息が455,912円——元本の91%に達しました。借りた額とほぼ同じだけ利息を払う計算です。現行の18.0%なら261,803円で、元本の52%。差は194,109円になります。
毎月の返済額で見ると15,932円と12,697円。月々3,000円ほどの違いに見えますが、60回積み重なると20万円近い差になります。
過払い金が生まれた仕組み
グレーゾーン金利には、もうひとつ側面がありました。利息制限法を超える部分は、そもそも法律上は無効だったのです。刑事罰がないだけで、支払う義務はなかった。
最高裁がこの点を明確にしたことで、払いすぎた利息を返還請求できることになりました。これが過払い金です。2010年6月以前に年20%を超える金利で借りていた人には、いまも請求権が残っている可能性があります。
| 対象になりうる期間 | 2010年6月18日より前の借入。それ以降は上限が20%に下がっているため、通常は発生しません。 |
|---|---|
| 時効 | 最後の取引から10年が目安です。完済して10年以上経っている場合は請求できないことが多くなります。 |
| 相談先 | 弁護士、司法書士、または法テラス。多くの事務所が無料相談を設けています。 |
注意点として、過払い金の広告には過剰なものも見られます。請求できるかどうかは取引履歴を確認しないと判断できません。まず無料相談で履歴を取り寄せるところから始めるのが確実です。
いま借りる場合の上限
現在の上限は借入元本によって3段階です。これを超える金利は違法であり、超過部分は無効になります。
| 元本10万円未満 | 年20.0% |
|---|---|
| 元本10万円以上100万円未満 | 年18.0% |
| 元本100万円以上 | 年15.0% |
あわせて2010年の改正では総量規制が導入され、貸金業者からの借入合計が年収の3分の1までに制限されました。金利の上限と借入額の上限、両方が同時に設けられたことになります。
この2つの規制により、業界の構造そのものが変わりました。高金利で大量に貸す商売が成立しなくなり、登録業者の数は大きく減っています。いま営業している会社は、この規制のもとで生き残った会社です。
無利息期間という、銀行にはない仕組み
消費者金融には、初回契約から一定期間の利息を取らない商品があります。30日間というのが一般的です。銀行カードローンにはほとんど見られない仕組みで、金利の高さを埋め合わせる意味を持っています。
実額でどれだけ効くのかを出しました。年18.0%で30日間借りた場合の利息が、そのまま浮く金額になります。
| 借入額 | 30日分の利息 | 無利息で浮く額 |
|---|---|---|
| 5万円 | 740円 | 740円 |
| 10万円 | 1,479円 | 1,479円 |
| 20万円 | 2,959円 | 2,959円 |
| 30万円 | 4,438円 | 4,438円 |
| 50万円 | 7,397円 | 7,397円 |
年18.0%・日割りでの試算です。無利息の条件と期間は各社により異なります。
ここで前のページの比較を思い出してください。10万円を6回で返す場合、銀行と消費者金融の金利差は1,044円でした。無利息30日で浮くのは1,479円。短期の少額なら、無利息期間のある消費者金融のほうが銀行より安く済む計算になります。
ただし条件があります。30日を過ぎれば通常金利に戻り、10万円なら1日あたり49円ずつ利息が発生し始めます。給料日までのつなぎのように、返す日がはっきりしている場面でこそ効く仕組みです。返済日が読めないまま使うと、この利点は消えます。
東京で登録業者かどうかを確かめる
貸金業を営むには登録が必須です。東京で営業する業者の登録番号は、営業所の範囲によって2種類に分かれます。
営業所が都内だけなら東京都知事(◯)第◯◯◯◯◯号、複数の都県にまたがるなら関東財務局長(◯)第◯◯◯◯◯号。括弧内は3年ごとの更新回数です。
番号を見つけたら、金融庁の登録貸金業者情報検索サービスで照合してください。数秒で実在確認ができます。番号が出てこない、あるいは商号が一致しない場合は、そこで取引を止めてください。
無登録業者を見分ける
規制が厳しくなった結果、その枠外で営業する業者も存在し続けています。東京では特に確認例が多く報告されています。
| 登録番号を示さない | 広告や申込画面に番号がない、または尋ねても答えない。正規業者は表示義務があります。 |
|---|---|
| 年20.0%を超える金利 | 現行法の上限を超えており、その時点で違法です。 |
| 「審査なし」「ブラックOK」 | 返済能力の確認は法律上の義務です。省くと明言する時点で正規ではありません。 |
| SNSや掲示板での勧誘 | 個人を装う形態は金融庁が名指しで注意喚起しています。 |
判断の詳細は正規の消費者金融に、トラブルに巻き込まれた場合の相談先は今すぐお金が必要なときに記載しています。
よくある質問
消費者金融とノンバンクは違うものですか?
2010年の法改正で何が変わったのですか?
昔の高い金利で借りていた分は取り戻せますか?
旧上限と現行では利息にどれくらい差がありますか?
東京の消費者金融が正規かどうか確認する方法は?
登録業者が減っているのはなぜですか?
東京23区の地図
生活福祉資金の相談窓口である社会福祉協議会は、23区それぞれに置かれています。担当になるのは住民登録のある区です。