カードローンは、限度額の範囲内で何度でも借りられる極度型の契約です。使い勝手がよい一方で、決められた最低額だけを返し続けると完済が大きく遠のきます。30万円を毎月1万円ずつ返した場合、完済までに41回、3年5か月。利息は101,549円になります。同じ30万円を月2万円で返せば18回、利息は42,415円です。
カードローンが他と違う点
契約の型が違います。カードローンは極度型——あらかじめ限度額を決めておき、その範囲内なら何度でも引き出せる仕組みです。
これに対して証書貸付型のフリーローンは、契約時に決めた金額を一度だけ借ります。返し終われば契約は終了し、また借りたければ申込からやり直しです。この違いは借入先の違いを比較で詳しく整理しました。
| 極度型(カードローン) | 限度額の範囲で繰り返し借入可能。完済しても契約は続きます。 |
|---|---|
| 証書貸付型(フリーローン) | 一度だけ。完済すれば契約終了、借り増しはできません。 |
繰り返し借りられることは利点でもあり、次に見るような問題の入口でもあります。
最低額だけ返した場合の年数
カードローンには約定返済額という仕組みがあります。残高に応じて毎月の最低返済額が決まる形で、多くの場合その額は小さく設定されています。負担が軽く感じられる設計です。
30万円を借りて、返済額を変えた場合の完済までを並べました。年18.0%での試算です。
| 毎月の返済額 | 回数 | 年数 | 利息合計 | 総支払額 |
|---|---|---|---|---|
| 10,000円 | 41回 | 3.4年 | 101,549円 | 401,549円 |
| 15,000円 | 24回 | 2.0年 | 59,348円 | 359,348円 |
| 20,000円 | 18回 | 1.5年 | 42,415円 | 342,415円 |
| 30,000円 | 11回 | 0.9年 | 27,487円 | 327,487円 |
| 50,000円 | 7回 | 0.6年 | 16,804円 | 316,804円 |
年18.0%・残高スライドなしでの試算です。実際の約定返済額は残高と各社の基準により変わります。
毎月の返済額を1万円から2万円に上げるだけで、期間は3.4年から1.5年に、利息は101,549円から42,415円に減ります。返済額を2倍にすると、利息は6割近く減る計算です。
1万円のうち、元本に届くのはいくらか
なぜここまで差が出るのか。返済額の内訳を見ると理由がわかります。
残高30万円、年18.0%の場合、1か月分の利息は4,500円です。毎月1万円を返しても、そのうち4,500円は利息に消えます。元本に届くのは5,500円。返済額の55%しか残高を減らしていません。
| 返済額 | 10,000円 |
|---|---|
| うち利息 | 4,500円 |
| うち元本充当 | 5,500円(返済額の55%) |
返済額を2万円にすると、利息4,500円は変わらないまま、元本充当が15,500円に増えます。増やした分がまるごと元本に向かうため、効果が大きくなる。ここがカードローンの返済で最も重要な点です。
さらに言えば、残高30万円・年18.0%では月4,500円未満の返済では元本が1円も減りません。利息を払っているだけで、残高は同じ場所に留まります。約定返済額がこの水準に近いと、返しているつもりで進んでいない状態になります。
借り直せることの副作用
極度型のもうひとつの性質が効いてきます。返した分だけ枠が空くため、また借りられてしまうことです。
30万円を借りて10万円返した時点で、枠は10万円空いています。ここで10万円引き出せば、残高は再び30万円。返済の努力は帳消しになり、完済までの年数は最初に戻ります。
これは意志の弱さの問題ではなく、設計がそうなっているというだけの話です。枠が空いていて、引き出しが数分で終わるなら、必要なときに使ってしまう。それを防ぐには仕組み側で対処するしかありません。
| 限度額を下げる | 多くの会社で申請できます。使える枠そのものを小さくします。 |
|---|---|
| カードを持ち歩かない | ATMからの引き出しに物理的な手間を挟みます。 |
| 完済したら解約する | 極度型は完済しても契約が残ります。使う予定がなければ解約が確実です。 |
金利を決めているのは借入額ではなく限度額
見落とされやすい仕組みがあります。カードローンの適用金利は、実際に借りた額ではなく契約時の極度額(限度額)で決まることが多いという点です。
利息制限法の上限は元本100万円以上で年15.0%まで下がります。極度額が100万円以上で設定されていれば、この帯の金利が適用されます。実際に借りているのが50万円でも同じです。
| 契約極度額 | 上限金利 | 50万円を24回 | 50万円を36回 |
|---|---|---|---|
| 50万円未満 | 18.0% | 99,089円 | 150,743円 |
| 100万円以上 | 15.0% | 81,840円 | 123,976円 |
利息の額です。実際の適用金利は各社の基準および審査結果により異なります。
同じ50万円を36回で返しても、極度額の設定次第で利息が26,767円変わります。借りる額は同じなのに、契約の枠の大きさで負担が動く。
ただし、これを理由に極度額を上げるのは慎重に判断してください。前の節で見たとおり、枠が大きいほど引き出しやすくなります。金利が3%下がっても、残高が2倍になれば意味がありません。極度額を上げるのは、借入額を増やさない自信がある場合に限ります。
なお、極度額を大きくすると収入証明書の提出が必要になります。貸金業法では1社で50万円超、または他社との合計が100万円超の場合に提出が求められます。
完済を早める方法
最も効くのは繰上返済です。約定返済額とは別に、余裕があるときに追加で入金する方法で、入れた金額はまるごと元本に充当されます。
先ほどの例で言えば、月1万円の約定返済に加えて年2回、5万円ずつ繰上返済すれば、41回の予定は大きく短縮されます。利息は日割りで計算されるため、元本が早く減るほど以降の利息も減っていきます。
もうひとつは借り換えです。複数の借入がある場合、金利の低いものにまとめれば利息の総額が下がります。ただし枠が空くため、上に書いた副作用に注意が必要です。考え方はおまとめローン・借り換えに整理しました。
ご自身の残高と返済額での試算は返済シミュレーションでできます。返済額を変えたときに何年変わるかを見ておくと、判断が具体的になります。
東京での使われ方
手続き自体は全国共通で、東京だから条件が変わることはありません。オンライン完結であれば23区でも多摩地域でも同じです。
東京特有の事情があるとすれば、支出の波の大きさでしょうか。家賃の更新、転居、通勤定期の更新。まとまった額が不定期に出ていく場面が多く、そのたびに枠を使うと残高が積み上がりやすくなります。
枠を持つこと自体は悪くありません。深夜や休日に必要になったとき、審査を待たずに引き出せる利点があります。問題は、使った後に返し切るかどうかです。引き出した時点で完済予定日を決めておくと、残高が居座りにくくなります。
単発の借入まで含めた全体像は東京でお金を借りるに、少額帯の話は東京の少額融資にまとめています。
よくある質問
カードローンとフリーローンはどう違いますか?
毎月の最低額だけ返すとどうなりますか?
1万円返すと元本はいくら減りますか?
返済しても残高が減らないことはありますか?
完済を早めるにはどうすればよいですか?
完済したら解約したほうがよいですか?
東京23区の地図
生活福祉資金の相談窓口である社会福祉協議会は、23区それぞれに置かれています。担当になるのは住民登録のある区です。