収入証明書を出さずに借りられるかどうかは、金額で決まっています。貸金業法により、1社で50万円を超える場合、または他社との合計が100万円を超える場合に提出が必要です。逆に言えば、その線を越えなければ本人確認書類だけで完結します。50万円ちょうどは「超」にあたらないため、まだ不要です。
必要になる境目は2つある
貸金業法が定める基準は2つです。どちらか一方に当てはまれば提出が求められます。
| 1社あたりの基準 | その会社からの借入が50万円を超える場合 |
|---|---|
| 合計の基準 | 他社を含めた借入の合計が100万円を超える場合 |
見落とされやすいのは2つめです。1社ごとの金額が小さくても、合計が100万円を超えれば提出が必要になります。他社で80万円借りている状態で30万円を申し込めば、合計110万円。この時点で対象です。
もうひとつ、「超える」という表現に注意してください。50万円ちょうどは超えていません。50万1円から対象になります。100万円の基準も同じです。
希望額と他社借入の組み合わせで見る
2つの基準を組み合わせると、必要かどうかは一目で判断できます。
| 希望額 | 他社なし | 他社30万 | 他社50万 | 他社70万 | 他社100万 |
|---|---|---|---|---|---|
| 10万円 | 不要 | 不要 | 不要 | 不要 | 必要 |
| 30万円 | 不要 | 不要 | 不要 | 不要 | 必要 |
| 50万円 | 不要 | 不要 | 不要 | 必要 | 必要 |
| 60万円 | 必要 | 必要 | 必要 | 必要 | 必要 |
| 100万円 | 必要 | 必要 | 必要 | 必要 | 必要 |
貸金業者からの借入についての基準です。銀行カードローンは別の基準になります。
希望額が50万円以下で、他社との合計が100万円以下なら不要です。60万円の行がすべて「必要」になっているのは、1社あたりの基準を単独で超えているためです。他社借入がゼロでも関係ありません。
本人確認書類だけで足りる場合
上の表で「不要」に該当すれば、提出するのは本人確認書類だけです。
| 運転免許証 | 最も一般的です。住所変更をしている場合は裏面も撮影します。 |
|---|---|
| マイナンバーカード | 表面のみ。個人番号が載る裏面は提出しません。 |
| 健康保険証 | 単独では不可とされることが多く、他の書類と組み合わせます。 |
| パスポート | 住所記載のあるものに限られる場合があります。 |
撮影で差し戻しになる原因は決まっています。四隅が切れている、ホログラムに照明が反射している、記載の住所が現住所と違う。申込前に確認しておけば、審査が止まりません。
収入証明書として使える書類
基準を超える場合に必要となる書類です。どれか1点で足りるのが一般的ですが、発行時期の指定があります。
| 源泉徴収票 | 最新のもの。勤務先から年末に交付されます。 |
|---|---|
| 給与明細 | 直近2〜3か月分。賞与がある場合は賞与明細も求められることがあります。 |
| 確定申告書 | 個人事業主の方向け。控えに受付印または受信通知が必要です。 |
| 住民税決定通知書 | 毎年6月頃に交付されるもの。 |
| 所得証明書 | 市区町村で発行。東京23区なら各区役所、多摩地域なら市役所・町村役場です。 |
手元にないものを取り寄せるには時間がかかります。急いでいる場合は、給与明細のように既に持っている書類で足りるかを先に確認してください。
銀行カードローンの場合は基準が違う
ここまでは貸金業者の話です。銀行カードローンは銀行法にもとづくため、貸金業法の基準は適用されません。
各行が独自に基準を設けており、50万円以下でも提出を求められることがあれば、それ以上でも不要な場合もあります。一律の線がないため、申込前に各行の案内を確認する必要があります。
同じ理由で総量規制の扱いも異なります。銀行は法律上の対象外ですが、自主的な上限を設けています。制度の違いは借入先の違いを比較に整理しました。
提出後、書類はどう扱われるか
収入証明書には勤務先も年収も載ります。渡したあとどうなるのかは、気にしておいてよい点です。
貸金業者は個人情報の取扱いについて利用目的を明示する義務があり、収入証明書も審査と契約の履行のために使われます。目的外の利用や、同意のない第三者提供は認められていません。
| 利用目的 | 返済能力の調査、契約の締結と履行、法令にもとづく届出。 |
|---|---|
| 保管期間 | 契約に関する記録として一定期間保管されます。期間は各社の規程によります。 |
| 第三者提供 | 指定信用情報機関への登録など、法令にもとづくものに限られます。 |
| 開示・訂正 | 本人からの請求が可能です。窓口は各社のプライバシーポリシーに記載されています。 |
提出する際は、送信先が正規の登録業者であることを先に確認してください。無登録業者に年収と勤務先を渡すのは、金額の問題では済まなくなります。当サイトの取扱いはプライバシーポリシーに記載しています。
出さずに済ませたいときの考え方
提出したくない理由が「面倒だから」なら、希望額を調整するのがいちばん簡単です。50万円以下に収めれば、1社あたりの基準は超えません。
ただし、必要額を無理に削るのは本末転倒です。60万円必要なのに50万円で申し込めば、10万円足りないまま。結局もう1社に申し込むことになり、申込の記録が増えるだけです。
提出したくない理由が「収入が不安定だから」であれば、話は別です。書類を出さずに通ることを目指すより、公的融資など審査の性質が違う制度を検討したほうが現実的な場合があります。
なお、書類の提出を求められること自体は不利のしるしではありません。金額が基準を超えたという機械的な判定にすぎず、提出したから審査が厳しくなるわけでもありません。
東京で申し込む場合の実務
基準は全国共通で、東京だから変わることはありません。実務で違いが出るのは、書類を取り寄せる場合の窓口です。
所得証明書や課税証明書は、住民票のある自治体で発行されます。23区なら各区役所、多摩地域なら市役所・町村役場です。マイナンバーカードがあればコンビニ交付に対応している自治体も多く、窓口に行かずに取得できます。
東京は自治体の数が多いぶん、対応状況も一様ではありません。急いでいる場合は、コンビニ交付が使えるかどうかを先に確認してください。使えれば数分で済みます。
もうひとつ、転居の多い地域であることも実務に響きます。所得証明書を発行できるのは、その年の1月1日時点で住民票のあった自治体です。年の途中で他県から東京へ引っ越した場合、最新の証明書は前の自治体でしか取れません。郵送請求になると往復で1週間程度かかります。
該当しそうな方は、給与明細や源泉徴収票で代えられないかを先に確認してください。手元にある書類で足りるなら、取り寄せる必要がなくなります。当日中の入金を狙う場合、この差がそのまま可否を分けます。
東京で使える手段の一覧は東京でお金を借りる、少額に絞った話は東京の少額融資にあります。
よくある質問
収入証明書はいくらから必要になりますか?
希望額が少なくても必要になることはありますか?
本人確認書類だけで足りるのはどんな場合ですか?
収入証明書として何が使えますか?
銀行カードローンでも同じ基準ですか?
提出を求められたら審査に不利ですか?
東京23区の地図
生活福祉資金の相談窓口である社会福祉協議会は、23区それぞれに置かれています。担当になるのは住民登録のある区です。