クレジットカードのキャッシングは、手元のカードでATMから現金を引き出せる仕組みです。審査も申込も不要で、最短3分。ただし少額を短期で借りると、利息よりATM手数料のほうが重くなります。1万円を3日間なら利息は14.8円、手数料は110円。手数料を含めた実質年率は151.8%に達します。
キャッシング枠はショッピング枠と別物
クレジットカードには2つの枠があります。買い物に使うショッピング枠と、現金を借りるキャッシング枠です。この2つは別に設定されており、ショッピング枠が残っていてもキャッシング枠がゼロということは珍しくありません。
申込時にキャッシングを希望しなければ付与されないカードが多く、本人が気づいていないケースがよくあります。まずカード会社のアプリか会員サイトで残枠を確認してください。ゼロなら、その場では使えません。
キャッシング枠は、ショッピング枠の内側に置かれるのが一般的な設計です。キャッシングで10万円を借りれば、その分ショッピングに使える額も減ります。総枠は増えません。この点は限度額の内側で繰り返し借りられるカードローンと似た構造です。
キャッシングは貸金業法上の貸付にあたるため、総量規制の対象です。他社の借入と合算して年収の3分の1までという枠に含まれます。ショッピング枠は対象外なので、この2つは規制の扱いも別になります。
利息よりATM手数料のほうが重い
キャッシングの金利は年15〜18%程度で、消費者金融と大きく変わりません。ところが実際に払う金額を見ると、少額・短期では別の要素が支配的になります。
ATMの利用手数料です。1万円以下で110円、1万円超で220円というのが一般的な水準。これを利息と並べてみます。
| 借入額 | 日数 | 利息 | ATM手数料 | 合計 | 手数料は利息の |
|---|---|---|---|---|---|
| 1万円 | 3日 | 14.8円 | 110円 | 124.8円 | 7.4倍 |
| 1万円 | 7日 | 34.5円 | 110円 | 144.5円 | 3.2倍 |
| 1万円 | 30日 | 147.9円 | 110円 | 257.9円 | 0.7倍 |
| 3万円 | 7日 | 103.6円 | 220円 | 323.6円 | 2.1倍 |
| 10万円 | 7日 | 345.2円 | 220円 | 565.2円 | 0.6倍 |
年18.0%・日割り、手数料は税込の一般的な水準での試算です。実際の手数料は各社・各ATMにより異なります。
1万円を3日間借りた場合、手数料は利息の7.4倍になります。金利を気にして返済を急いでも、手数料は日数に関係なく定額です。急いで返しても、この110円は減りません。
逆に借入額が大きくなり日数が延びれば、手数料の比重は下がります。10万円を7日なら手数料は利息の0.6倍。金額と期間によって、何が主なコストなのかが入れ替わります。
手数料を含めた実質年率
手数料を利息と合算して年率に直すと、何が起きているのかがはっきりします。
| 借入額 | 日数 | 表示上の金利 | 手数料込みの実質年率 |
|---|---|---|---|
| 1万円 | 3日 | 18.0% | 151.8% |
| 1万円 | 7日 | 18.0% | 75.4% |
| 1万円 | 30日 | 18.0% | 31.4% |
| 3万円 | 7日 | 18.0% | 56.2% |
| 10万円 | 30日 | 18.0% | 20.7% |
手数料を利息とみなして年率換算した参考値です。法律上の金利表示とは異なります。
1万円を3日間で151.8%。これは質屋営業法の上限109.5%を上回る水準です。もっとも便利で、もっとも速い手段が、条件によっては最も割高になる。
誤解しないでいただきたいのは、これは違法でも不当でもないという点です。手数料は利息ではなくATM利用の対価であり、法定金利の計算には含まれません。ただ、支払う側から見た負担としては同じことです。
手数料を避けるには
方法があります。ATMを使わなければいい。
多くのカード会社は、アプリや会員サイトから指定口座への振込によるキャッシングに対応しています。この方式ならATM手数料はかかりません。入金までに数分から数十分を要しますが、110円や220円が消えます。1万円を3日間なら、コストが124.8円から14.8円へ、8分の1以下になります。
| ATMで引き出す | 最短3分。手数料110〜220円がかかります。 |
|---|---|
| 振込で受け取る | 数分〜数十分。手数料は通常かかりません。 |
もうひとつ、回数を減らすという考え方もあります。手数料は引き出すたびに発生するため、1万円を3回引き出せば330円。3万円を1回なら220円です。必要額をまとめて引き出すほうが安くなります。
リボ払いになっていないか
キャッシングの返済方式には一括払いとリボ払いがあり、カードによっては初期設定がリボになっています。
リボ払いは毎月の支払額が一定になる代わりに、残高が減るペースが遅くなります。返済期間が延びれば、その分だけ利息が積み上がる。前の表で見たとおり、日数が延びれば利息は増えていきます。
翌月一括で返す設定なら、利息は借りた日数分だけで済みます。設定はカード会社のアプリで変更できることがほとんどです。使う前に一度確認しておいてください。仕組みの詳細はクレジットカードのキャッシングにまとめています。
利息を止めるには繰上返済
キャッシングの利息は日割りです。10万円なら1日あたり49円。引き落とし日を待たずに返せば、その日数分だけ利息が減ります。
ここが手数料と決定的に違う点です。ATM手数料は引き出した時点で確定し、いつ返しても変わりません。利息は違う。返すのが早いほど減ります。だからこそ、まとまった資金ができた時点で繰上返済する意味があります。
| ATM手数料 | 引き出した時点で確定。早く返しても減りません。 |
|---|---|
| 利息 | 日割りで発生。返した日までの分だけかかります。 |
10万円を借りて、引き落とし日まで30日待てば利息は約1,479円。10日目に返せば約493円で済みます。差は986円。手数料220円と比べれば、こちらのほうが動かせる幅は大きい。日数を変えたときの利息は返済シミュレーションでも試算できます。
繰上返済の方法は会社により異なりますが、提携ATMからの入金、アプリからの振込、インターネットバンキング経由などが一般的です。手数料がかかる経路とかからない経路があるため、返す前に確認しておくと無駄が出ません。
東京で使う場合の実際
東京はコンビニATMの密度が高く、深夜でも引き出せる環境があります。この点だけを見れば、キャッシングが最も使いやすい地域といえます。
ただ、便利さは手数料を安くしません。むしろ「近くにATMがあるから」と少額を何度も引き出すと、そのたびに110円が積み上がります。月に5回引き出せば550円。金額としては小さく見えますが、1万円あたりで考えると無視できない比率です。少額を繰り返し借りるときの考え方は東京の少額融資にまとめました。
使い分けの目安としては、急ぎでその場に現金が要るならATM、数十分待てるなら振込。東京は移動時間が読みにくい地域でもあるので、家にいるうちに振込で受け取っておくほうが結果的に速いこともあります。
他の手段との比較は東京ですぐにお金を借りる方法に、東京全体の選択肢は東京でお金を借りるにまとめました。
よくある質問
キャッシングのATM手数料はいくらですか?
少額を短期間だけ借りると割高になるのですか?
ATM手数料を避ける方法はありますか?
キャッシング枠はどこで確認できますか?
リボ払いと一括払いはどちらがよいですか?
何回にも分けて引き出すと損ですか?
東京23区の地図
生活福祉資金の相談窓口である社会福祉協議会は、23区それぞれに置かれています。担当になるのは住民登録のある区です。